引越し作業

引越すことになり、ここ数日、ずっと家の物を箱詰めしている。

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7年近くもいると、やはり物は溜まっていくもの。殊に本は、家のありとあらゆる場所にリスのようにしまい込んであった物を集め合わせてみると、1000冊近くある。自分のお楽しみのためのフィクションや文庫本はともかく、アカデミックな本を全て売り飛ばしたとしたら、ちょっとした財産になりそうだ。アメリカの本はやたらと大きく、サイズが全てバラバラなので収納しにくいはずなのに、どうやってこの量を保管していたのかは自分でも不思議に思う。

大半の物は引越し業者に頼むから良いが、ごちゃごちゃした小物や、仕事で必要な書類などは、引越し騒ぎで無くなってしまっては大変なので、自分で分かりやすいように整理しながら箱に詰めていく。これがとても面倒くさい。

現実逃避を兼ね、母に電話をした。過去に海を越える大掛かりな引越しを難なく熟してきて、ナンデモアリフォルニアの立ち上げも手伝ってくれたベテランの母にアドバイスを請うと、日本の引越し業者の場合、寝室の物の箱詰めは女性スタッフがしてくれるなど、気が利いているが、アメリカだとそんなことないんだろうねえと、ため息をつく話ばかりだ。

確かに、そのような気遣いは、一切、感じたことがない。例えば、見積もりを出すために引越し業者が家にやってきたとき。戸棚の中身を確認したりしながら各部屋を回った業者の人は、金髪でキャラメル色に日焼けをした、マイアミヴァイスの刑事役みたいな感じのハンサム男で(例えが古い)、寝室に入るなり、「ハイ、なるほど、このタンスの中身は服ですね!」と、私の下着がごちゃごちゃ詰まっている引き出しを爽やかに開けて、爽やかにクリップボードにメモを取った。

私はこれで学習をし、明くる日、違う業者の人(今度はローアンドオーダーに出てきそうなおじさん)が来たときは、タンスを開けられる前に「衣類です!」とストップをかけた。別に見られてどうなるわけじゃなし、とも思うが、穴が開いているパンツが転がり出てきたら恥ずかしいじゃない?

引越しの当日は、大男が何人も家に押しかけてきて、一斉に物を箱に放り込み、壊れ物はとにかく緩衝材をぼんぼん一緒に入れて祈る程度の、大雑把な作業なんだろうな、と想像している。

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つまらないことを長々と書いてしまった。

引越しにおいて残念なのは、大学院の一年目から、窓の縁から私を静かに見守ってくれていたサボテンを置いていかなければならないこと。サボテンの名前はトニー。疲れていると、私はトニーに話しかけたりする。キッチンの窓に座っているハーブも置いていく。

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また、引越しを控えているのに何故か多肉植物を増やそうとしていた時期があり、そうしてやっと自立できたカッティングも誰かに引き取ってもらわなければならない。この子たちはのんびりしていて、一カ月してやっと根付いた。

グーグル検索すると、cactus という英語の言葉は、アーティチョークの仲間の cardoon というトゲトゲした植物のギリシャ語名 káktos が少し変化して、17世紀初期に使われ始めたとある。日本語だとシャボン(石鹸)としても使われていたため、シャボテンになったとか、どこかで聞いたような。シャボンはフランス語の savon(石鹸)ですね。

シャボン玉はシャボン玉なのに、どうして石鹸は石鹸と呼ぶのだろうと、つまらないことを考えながら、引越し作業を続けている。



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# by majani | 2017-08-03 06:24 | 言葉と物 | Trackback | Comments(2)

水族館に行く

Monterey の第二部。

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せっかくモントレーに来ている 。有名な Monterey Bay Aquarium で半日を過ごすことにした。

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Monterey Bay Aquarium は少し値段が張るが(大人$49.95)、とても広くて展示室がいくつもあり、入館料の一部が、美しい北カリフォルニアの海とそこに棲息する生物たちの保護に充てられるのだと思えば、納得できる。

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昆布の森。魚の種類の説明などは、全て英語とスペイン語の二カ国語表記だ。

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魚を見つけては美味しそうと思ってしまうのは、日本人の性?

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私の家族は大人ばかりだが、全員が水族館好き。そういえば学会中のシンガポールにまで、日本から家族とピーターパンさんが駆けつけ、皆で水族館や動物園に行った。あれは可笑しかったなあ、蒸し暑かったなあとシミジミ思い出しながら、変幻自在のイカに見入る。

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私は cuttlefish と squid の違いがよく分からない。このイカたちは、あまり美味しそうじゃない。

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たしか前回は、色々なクラゲをハイライトする特別展示エリアがあった。それは「バハ・カリフォルニアに住む生き物たち」に様変わりしていた。

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人気者のリクガメ。

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にっこり笑うシャチの向こうは、本当の青い海。開放的なテラスに出てみると、

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鵜が岩の上に集まって、何かを真剣に見ている様子。

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アザラシを見守っていたようだ。気持ちよさそうな表情は、どこか人間っぽい。

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エトピリカの髪型(?)が斬新で、好き。

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さて、こちらは、水族館でここが一番良い!と旅のグループ大絶賛だった野鳥のエリア。

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この子はお散歩中。

海岸でよく姿を見せる野鳥たちが、放し飼いになっている。色々な種類がごちゃ混ぜになって一緒に過ごしている。

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この子はおめかし中。

不思議なほどおとなしい鳥を見て、羽を切っているのかしら、と母が心配をして係の人に尋ねた。怪我を負っている鳥や、生まれつき飛べない鳥を捕獲してここで飼っているのだという。

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この子はカメラ慣れしている感じ。

後に野生に返せる子たちは、もちろんそうしているが、一生をここで過ごす子もいる、と係の人が話していた。

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例えばこの snowy plover は、片脚しかないので、ずっと水族館で飼われるのだろうと思う。

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不憫な鳥ちゃんたち!それでも、美味しいご飯が出てきて、仲間が沢山いて(天敵はいないし)、心地良い生活を送っているのね。本当に良かったねえと皆で頷きながら、野鳥を後にする。

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魚より鳥の写真の方が多かったですね。

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モントレーで一つ思ったのは、美味しいお店があまりないのでは。イェルプを駆使して適当なカフェを探し続けたが、けっきょくヘンテコなダイナーに入ってしまった。

ダイナー好きな面子ではあったが、早速「コーヒー4つ」と頼んだら、ウェイターが慌て始めた。何やらコーヒーマシンが無いらしく(ダイナーなのに!)、「でもちょっと工夫します」という感じで奥に消えていった。30分後、少し茶色がかったお湯のようなものが、巨大なグラスに入って出てきた。

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コーヒーはさておき、とても楽しかった Monterey。

Monterey Bay Aquarium
www.montereybayaquarium.org/



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# by majani | 2017-07-31 05:54 | 動物王国 | Trackback | Comments(6)

カーメルとモンテレーの海

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夏と言ったら、海。グレーの光に包まれた冬の海岸も悪くないけれど、ナンデモアリフォルニアのスカッとする青空の下ビーチを歩くと、極度の暑がりの私でさえ、夏って良いなあと思う。

たくさん道草を食いながら、カーメルとモンテレーに行ってきた。サンフランシスコから車で南へ。

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まずは 途中の Phil's Fish Market でランチを食べることにする。入口で、魚を抱えた木製の漁師のおじさんとカモメが出迎えてくれる。

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フィルズはトマトベースの海鮮スープ、チョッピーノと(奥に写っているのがそう)、ビールを使った豪勢なブラッディメアリーが有名。チョッピーノはブイヤベースのような感じで、トマトの酸味と蟹や海老などの海産物の甘みで上手くバランスが取れている。

いつ来ても、量がスゴイ。この無造作に積んであるフィッシュアンドチップスが一人分だとは思えない。

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モンテレーの Bixby Creek Bridge までやってきた。ここは風が強く、吹き飛ばされそうになりながらヨタヨタと歩き回った。

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アザラシの群れに遭遇。真ん中の小さな島にポツポツと見えるゼニガタアザラシたちは、日向ぼっこ中。

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あ、こんな所にも。幸せそう~。

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枝豆のような実を付けた木が生える Point Lobos State Natural Reserve で「バード・アイランド」という看板を見つけて、ちょっと歩いてみることに。

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遠くに鵜のような海鳥が集まっている。奥の方で円形になっているのは、何だろう。

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鳥のコロニーだった。みんな子育てに夢中。その雛や卵を狙っているカモメを見て、厭らしい奴だな!と皆に非難されている。カモメは、バード・アイランドで嫌われ者の損な役回り。

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なんていう花だろう。渦巻が良い感じ。

野生のラッコなども見られて、ポイントロボスを歩いて大正解だった。

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去年の大雨で起きた土砂により高速が一部閉鎖されていたため、残念ながらビッグ・サーまで南に行くことはできなかった。

高校生の頃、アメリカの小説家ヘンリー・ミラーの回顧録『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』 (Big Sur and the Oranges of Hieronymous Bosch) を読み、これほどに自由で孤独な場所がカリフォルニアにあるのかあ、行ってみたいなあ、と夢見たものだったが、七年もベイエリアに住んでいて私は未だにビッグ・サーを訪れたことがない。次回のために取っておこう。

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ミラーが20年近く住んでいたビッグ・サーはともかく、なんとなく文学の香りがするルートを私たちは辿っていた。

何年か前、モンテレ―水族館に行った際に書き留めたが、昔イワシの缶詰工場が並んだキャナリー・ロウは、スタインベックが描写したことによって、ちょっとした文学的な観光スポットになっている。上は缶詰工場の名残。

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いったん、Carmel-by-the-Sea の方まで戻ってきて、Enzo というイタリアンレストランで食事。良い天気だったので、外のテーブル席に座る。

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地元の白ワインを試してみた。

ワインを楽しく飲んでいると、ずっと路上に立っていたピンクのセーターを肩にまとった男性が、いきなり私たちのテーブルに散乱している飲みかけのワインやらビールのグラスを調整し始めた。通りすがりの人が私たちのワインを盗もうとしている!?と混乱したが、ここのイタリア人オーナーらしい。

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炎をぼおぼお吹くブロートーチを持って、一人のウェイターが飛び出してきた。なんだなんだと構えていると、オッパァ!と叫びながら、チーズの皿を持った別のウェイターが走ってやってきた。酒をびしゃびしゃかけると、最初のウェイターが火を点けた。一瞬にしてぼおん!と皿が炎に包まれ、「オッパァ!オッパァ!」とひたすら叫びながら、オーナーとウェイターたちの三人がかりで、レモン汁をえいや、えいや、とぶっかけて火を消す・・・というパフォーマンスがあった。

そういえば、チーズのフランベというものを頼んでいました、私たち。あんなに大騒ぎした割には普通の味。とても面白かったけれど!

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海鮮リゾット、キノコのマリネ、メカジキのステーキ、サーモンのたたきなど、色々な物を少しずつ4人で分けあった。デザートは定番のティラミス。

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お勘定をお願いすると、お口直しにイタリアのキャンディーをくれた。

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愉快なフランベの後、ビーチリゾートへ。オーシャンフロントにいくつものバンガローのようなスイートが並ぶ。

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暗くなり始めた頃、ビーチで焚火を囲む。この夜は遅くまで飲んでいた。

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翌朝、リルケと海岸を散歩していると、沖の方でカモメが騒いでいるのに気が付いた。

クジラだろうか。何かとても大きな動物が潮を吹いている。何年か前の夏、あんなに苦労してクジラを見に行ったのは何だったんだろうと笑ってしまう。

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やっぱり、夏と言ったら、海。




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# by majani | 2017-07-27 05:47 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(6)


ナンデモアリフォルニアの某大学院で研究中。海外生活、旅、散歩で出会った生き物などの記録です。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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