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髭の街

ハイト・アシュベリーに一歩入ると、急に立派な髭を生やしている人がぽこぽこ出現する。重力をものともせずホルンみたいに反り返っている髭や、小鳥が一羽や二羽巣作っていてもおかしくない森のような髭。ハイト・アシュベリーとは霧の町サンフランシスコの一角である。60年代はヒッピーが集まるエリアだったが、今はどちらかというとヒップスターが陣取っている印象を受ける。

今日は院生仲間の友人3人とサンフランシスコでのんびり過ごす。朝、サファリさんが車で自宅まで迎えに来てくれる。今週末はあまり、というか全然仕事が捗っていないけれど、「旅に待ったなし」と自分に唱えながら靴を履く。別に旅行中ではないが、車を運転しない私にとってはサンフランシスコに行くのもちょっとした小旅行だ。

余談。このプチ旅行中、高速道路でバイカーの集団に遭遇する。みんな揃って革ジャンとモーターサイクルブーツだが、ヘルメットに変な鶏冠(?)が付いていたり、鮮やかな水玉の靴下をチラ見せしたりして、なんだかそれなりにお洒落なモーターサイクル集団である。しかも何十人、いや百人以上いるのだ。車窓から見る高速道路はずっと先まで、そしてずっと後ろまで、バイクに乗った若者ばかりである。大半がカワサキのバイクに跨っているので(ナンデモアリフォルニア人のサファリさん曰く、「ライスロケット」というほんのり人種差別臭いあだ名が付いている)大勢いるのに妙に静かなのが逆に不気味である。中には小型カメラを手に持ったりヘルメットにのっけたりしてこの情景をビデオに収めている者もいる。危ない。私たちは大人しく右車線に引っ付いていたのだが、少し先に、うっかりバイカーの群れの真っ只中に紛れ込んでしまい、「ひ~」という悲鳴が聞こえんばかりに肩身狭く走っている可哀相なカローラがいる。

すると私たちの前をのろのろ走っていたバイカーがカメラを落とし、それが私たちの車のフードを直撃。いきなり何をする、鶏冠を生やしたバイカーよ!これは嫌な予感がする。仕事そっちのけで飛び出てきたバチが当たったのか、これから起こる何かよからぬ事件を予期しているのか。カメラは一瞬にして四方八方に飛び散り、バイカーは慌てふためいて高速を降りていった。万が一車に傷がついていたら、ビデオ証拠が残っているだろう。後でユーチューブをチェックするぞ。

何かのイベントなのだろうけれど、ハーフムーンベイの出口でやっとバイカー達が高速を降りてくれたので一安心。余談終わり。

サファリさんとハイト・アシュベリーでおいしいラテを買い、誰かの家の前の階段に腰かけて一休み。徒歩でミッションの方へ移動。散歩にぴったりのぽかぽか天気である。サンフランシスコに珍しく、風も少ない。

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 ブランチ。ミッションで有名なTartine Café & Bakery (タルティーン)でドロテア嬢とアドリアヌスさんと待ち合わせ。タルティーンはバー・レストランとカフェと二つお店があるが、今回はブランチなので、ホットプレスサンド、ニンジンのピクルス、レモンタルト、フロマージュブラン、朝ごはんらしいクロワッサン等が楽しめるカフェのほうで食事をする。ジャンボンとチーズのグリエールサンド(一つ)。ブラックコーヒー(二杯)。


ドロテア嬢はバレンシアと22番街の角のPretty Pretty Collective (プリティー・プリティー・コレクティブ)という美容院で午後に予約があるという。それまでバレンシア通りの古着屋、ブティック、本屋を巡る。

サファリさんはサンフランシスコに住んでいる彼氏の家に泊まるというので、帰りは電車だ。電車で大勢のサンフランシスコジャイアンツのファンに遭遇する。行きがけのバイカー集団は帰りのジャイアンツファン集団を予期していたのかもしれない。

 

晩ごはん。友人のフェンウェイ夫婦と近所のフレンチビストロで食事。「パジャマを着たチキン」とかいうのを注文すると、普通のローストチキンが出てきた。外の皮がパリパリしているからパジャマなのか?意味不明だ。ザクロソーダ(一杯)。


by majani | 2014-04-14 21:03 | ナンデモアリ

カリフォルニア、ニューヨークを経て、ボストンにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、日常の記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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