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犬の耳だらけの本

ドッグイヤー、又はドッグイヤードという言葉をご存知だろうか。綴りは dog-ear, dog-eared だ。

動詞・形容詞で使われ、使い古したという意味もあるが、普通は本やノート等のページの隅を折り曲げることを言う。それが犬の耳みたいに折れているから、ドッグイヤーというわけだ。確かに西洋の犬は耳が折れているのが多い。日本犬はそれとなく狼っぽくて、耳が立っているような感じがする。

研究や授業のために本を読むことは日常的。周りの人がiPadやラップトップで読んでいるものを、私は今ながら一人寂しく紙で読んでいる。紙のページをドッグイヤーしておくと栞がなくても後ですぐ戻ってこられるし、重要なページをぱっと開くことができる。又、読みながら線を引いたり余白のところに考えをメモしたりしたい。もっとも、これらは全てキンドル等でもできるが、ドッグイヤーするその動作が好きなのだ。これも面白いあれも面白いとドッグイヤーしまくっていたら役割を果たせていない犬の耳だらけになってしまった…という本が何冊もある。ドッグイヤーしながら読まないと、なんとなく気が済まない。

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Gustav Mützel. “Dachshund. 1/8 natürlicher Größe.” Brehms Tierleben, Small Edition 1927.

先日サンフランシスコのミッションで Dog Eared Books という本屋で色々立ち読みしていた。本を購入して紙袋をもらうと、本屋のロゴである犬の木版画がプリントしてあり、とても可愛らしい。そういえば「ドッグイヤーする」という表現はいつの時代から使われるようになったんだろうと気になったので、早速調べてみた。というか、辞書で引いてみただけ。ランダムハウスによると17世紀と載っているが、これ本当かな。他に何も書いていなかったので何だか心細いので、ちゃんと調べてみたいと全然思わなかった。

昨日、スナフキンとシンガポール料理を食べに行ったとき、タイガービールを飲んでいたら猫科の動物の話になった。そこで jaguar (アメリカ豹、ジャガー)の語源の話になった。普通はジャグアーというけど、ジャギュアーと発音する人もたまにいるよね、しかし一体何語から来たんだろう、南米のアマゾン熱帯雨林に住む動物だからスペイン語かポルトガル語かなあ、という程度のたわいない会話である。

答えは、起源はトゥピ・グアラニー語の名前(ヤグアール)らしい。おお、トゥピ・グアラニー語って面白そうだ!そう思ってウィキペディアの「トゥピ・グアラニー語族」というページに飛んでみたら、ちゃんとジャガーがそこに載っていたし、タピオカの語源もこれらしい。なるほどなるほど、なんとなくトゥピ・グアラニー語っぽいぞと頷いてしまう。

トゥピ・グアラニー語のサブグループの中にテニャリン・パリンティンティン語というのがあって、ものすごーく気になるが、クリックしたら最後、永遠にインターネットの「ウサギの穴」を落ち続けてしまいそうなので、ここは心を鬼にして仕事に戻る。

この間『不思議の国のアリス』のことを話したばかりなので「ウサギの穴に落ちる」という英語の表現について一言書いておくと実にタイムリーなのだが、これもまたの機会にする。


朝ごはん。トースト(一枚)、コーヒー(一杯)。

昼ごはん。オフィスメートの助奈探君と学食を食べる。サラダとオリーブとチーズのパニーニ。アイスティー(一杯)。ブラックコーヒー(一杯)。

晩ごはん。今、作る。


Or me.

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by majani | 2014-04-18 13:28 | 言葉と物

カリフォルニア、ニューヨークを経て、ボストンにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、日常の記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


by majani