2014年 06月 03日
ナンデモアリフォルニアの絶滅動物
ワイナリー巡りをしていると、カリフォルニア州の旗を見かけることがある。殊にソノマでは多い。特徴的な熊の絵は多くの人に馴染み深いと思う。少し内股で、重い足取りの熊は、図案化されているにも関わらず、今にも動き出しそうだ。
Flag of California (public domain).
1911年に「カリフォルニア共和国」の旗として制定されたものだ。といっても、旗の起源は、もう少し歴史を遡る必要がある。1846年に、当時メキシコ合衆国の領土であったアルタ・カリフォルニアから分離独立を図ったアメリカ人住民が蜂起し、ソノマを拠点に「革命」を起こした。その革命の象徴となった熊の旗が後に、私たちに馴染み深いナンデモアリフォルニアの旗になるというわけだ。1846年の反乱は Bear Flag Revolt (「熊の旗の反乱」)と呼ばれる。
先日ワイナリーを訪れ(あいにくソノマは行かなかったが)、6月14日が Flag Day (国旗の日)ということもあり、ナンデモアリフォルニア人の人魚姫さんとカリフォルニア州の旗の話をしていた。とてもツマラナイ会話になりそうだが、そうでもない。この熊、実は絶滅動物だということを最近知ったからだ。
グリズリー・ベア(ハイイログマ)だと勝手に思い込んでいたが、旗の熊はカリフォルニア・グリズリー・ベア(カリフォルニアハイイログマ)である。愛称でゴールデン・ベア(黄金の熊)とも呼ばれる。最後に目撃されたのは1924年だから、絶滅したのはけっこう最近だ。因みに、旗の熊は、アレン・ケリーという新聞記者が1889年に捕獲したカリフォルニア・グリズリーの「モナーク」ちゃんがモデルとなった。
しかし昔の人って、色んなことをしているなあと思う。詩人だけど発明家でもあるとか、医者だけど冒険家でもあるとか。新聞記者だけど、熊も捕まえてやるぜ、ってスゴイことだと思う。私の学部の教授も週末は、研究と関係ないスゴイことをしているのだろうか。学者だけど週末はサンフランシスコのマーケット街でジャグリングを披露しているのです、とか。
カリフォルニア・グリズリーのラテン名は Ursus arctos californicus だ。Ursus はラテン語で「熊」という意味だ。これは聞いたことのある人もいるだろう。例えば星座の大熊座は Ursa Major という。Arctos はギリシャ語の「熊」。つまり、カリフォルニアのグリズリーは文字通り、カリフォルニアの熊(熊!)なのだ。
しかし最近までは Ursus arctos horribilis(horrible な、恐ろしい熊)、つまり普通のグリズリーと同じ分類だったらしい。これも不思議だ。ある日突然、「こいつはもしかして違う種なんじゃないか?よし、もう少し丁寧にDNAを分析してみようじゃないか」と思い立った学者がどこかにいたわけである。何故そんなことを思いついたのだろう。動物の分類の歴史も奥が深い。
昨日、ディーノ ・ブッツァーティの短編集『神を見た犬』(光文社古典新訳文庫・関口英子訳)を楽しく読んでいたら、うっかり夜更かしをしてしまった。今朝は普段よりも遅く起きた。
朝ごはん。コーヒー(二杯)。助奈探君がくれたマドレーヌ(一つ)。
昼ごはんも家で食べる。ステーキの残り物をサンドにしてみた。我ながら良いアイディアだった。紅茶(一杯)。
午後、スワヒリ語のクラスのためにキャンパスに向かう。病気でしばらく休んでいたなでぃーむ君も復帰しており、ヘンテコな昔話に引き続き、スワヒリ語の詩の勉強をする。これもフィールドワークにはあまり役に立たないが、とても楽しい。
授業後、助奈探君と「ブルーボトル」の美味しいドリップコーヒーを飲みながら外で勉強会。
晩御飯。ヘブンフィールドさんとキャンパス近くでイタリア料理を食べる。ポルチーニのカルパッチョ、アサリのパスタ。モレッティ(2ボトル)、エスプレッソ。
哲学の生徒たちのペーパーに目を通していると、ビールがまた飲みたくなってきた。パシフィコ(1ボトル)。
6月中旬まで採点地獄が続く。