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ラトビアのウェディング

「僕たち、なんていう村に行くんだっけ」

「さあ」

幸先悪い会話で始まった二時間半ほどのバス旅。ラトビア紀行の続きです。

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そもそもラトビアに来たのは、ラトビア人とロシア人の友人カップルが結婚式に招待してくれたため。挙式はリガの旧市街のホテルで行われた。

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妖精のように華奢な新婦。彼女のヴィンテージ風のドレス姿は美しかった。

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挙式が無事に終わり、私たちは毛皮やコートをまとい、小さなバスに乗り込んだ。リガを離れたカントリーサイドで披露宴とダンスパーティーが行われる予定だが、ゲストたちはその場所の名前が思い出せないまま、英語を喋らないバス運転手に運命を委ねる…。

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バスに揺られているうちに眠ってしまった。目が覚めると、石畳の街はとっくに消えていて、窓の外はビロードのような暗闇が広がっていた。

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たどり着いたのはゲストハウス。翌朝、やっと外からの様子が分かった。

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新郎新婦はまだおめかし中。披露宴会場でホットワインをすすりながら、カップル宛てのメッセージを書き込む。メッセージカードは、ゲスト一人ひとりにカスタマイズされていて、愛や結婚に関する引用文が印刷されている。

私のカードには、オスカー・ワイルドの喜劇 A Woman of No Importance より、「愛されていて、貧しい者などいるだろうか」の言葉。

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田舎のラスティックな雰囲気に合わせて、テーブルセッティングは、静かな森林を想起させる色調。松ぼっくりや白いアネモネなどを使っている。

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肌寒くて、ホットワインをジュースのようにぐびぐび飲んでしまう。ワイン、ホットワイン、ウォッカ(ストレートで)が一晩中注がれているが、不思議とビールは見当たらない。

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ディナーも美味。

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新郎新婦がファーストダンスを披露する。会場に大きな円を描きながら、軽やかなワルツを見事に踊り切る。

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ラトビアの結婚式はゲストも新郎新婦も大忙し!

ゲームあり、スピーチあり、最後には地面が凍っている外に追い出されて、暗闇の中でラトビアの伝統的な民族ダンスを皆で踊る企画まで。速い回転が多い踊りばかりで、まるでジムに来たような運動量。一方、クリップボードを持っている司会者は、英語、ラトビア語、ロシア語の三カ国語を操り、一晩中しゃべり続けていた。(「はいッ、ここで掛け声をお願いします!」と、三カ国語で踊りも仕切っていた。)いやはや、大変な仕事だ。

カップルでダンスの上手さを競う dance-off まで参加させられる。こういうの大の苦手なのですが、ジェームズ・ブラウンがたまたまかかってきて、ワイン漬けになっている私の中で何かがスイッチオン。「一番フットルース(footloose)なカップルで賞」をありがたく頂きました。

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へとへとになって、ゲストハウスに戻ったのは深夜3時頃。朝の7時までずっとダンスパーティが続いていたそうだ。ラトビア人、ロシア人強し!

人生で一番頑張った結婚式だった…

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晴れて、数時間後の朝ごはん。トリュフ和えのカプレーゼのようなサラダや、チーズ、ハム、ポテト、オムレツ、ヨーグルト、お決まりのニシン、そしてラトビア式のクリームたっぷりの、まろやかなオートミール。

熱~い、ブラックコーヒーも。ラトビアのコーヒーは、酸味が少なくて、私の好み。

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まだ誰も起きてこない様子なので、リルケともう一組の早起きカップルを誘って、外を散歩する。

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昨夜、バスを降りた時は何も見えなかったけれど、こんなに素敵な場所だったのね!と確認する。

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普段はナンデモアリフォルニアでヤシの木ばかり見ているので、何もかもが新鮮。真冬のラトビアの風景は美しい。

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牛小屋(かな?)やゲストハウスの方向を指す看板。

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干し草の俵がぽつぽつと見えてきた。動物や鳥の気配が全く無いのが不思議。

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人の気配も、ない。

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ゲストハウスに戻ってくると、ようやく他のゲスト達が朝ごはんを食べに降りてきた。

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迎えのバスがもう砂利道の先まで来ていると、誰かが報告する。もう一杯だけコーヒーを飲んでいこう。この風景を見るのは、最初で最後かもしれないからね。

のんびりラトビア紀行、おわり。付き合っていただき、ありがとうございました。



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by majani | 2017-01-27 06:13 | 旅に待ったなし

カリフォルニア、ニューヨークを経て、ボストンにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、日常の記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


by majani