カテゴリ:旅に待ったなし( 40 )

想い出のサンフランシスコ

サンフランシスコでトニーベネット(の銅像)に会ってきた。

去年、90歳の誕生日を迎えたジャズ界の伝説的な存在トニーベネット。その記念に、サンフランシスコのノブヒルにあるフェアモントホテルにトニーの銅像が作られた。

トニーベネットは1961年にフェアモントホテルのベネチアルームで『想い出のサンフランシスコ』("I Left my Heart in San Francisco")を歌っている。

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両親がサンフランシスコに遊びに来てくれたので、家族揃って、トニーベネットをテーマとした一日を過ごした。

フェアモントホテルに例の銅像があると聞いていたが、ホテル内の中庭にでもあるのかと思いきや、冷たい風が吹く入口付近にでーんと立っていたのが少し意外だった。「なんか顎の感じがちょっと違うんぢゃないか」「マイクを持っているのはどう思うね」とわあわあ騒ぎながら、芝生にずいと乗り込んでいき、トニーと写真撮影を行う。

ジャズを好む父は、トニーベネットの大ファン。何十年分ものアルバムを全て持っていて、東京の公演に駆けつけたり、トニーにハグをしてもらったりしている。私自身も、母のお腹にいた頃から彼の歌声をずっと聴いている。顎の感じがちょっと違っていたとしても、実に感慨深い。

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上のマークホプキンズを始め、フェアモントやリッツカールトンなど高級ホテルが多いノブヒル。

良い仕事をしたという顔で大満足の父が煙草に火を点けると、パンクロッカー姿の若いイギリス人カップルがやってきて、トニーベネットの銅像に気が付いた。「オーマイゴッド、トニーじゃない!」と興奮しながらケータイで写真を撮り始める。すると今度はスポーツコートを着た中年男性が銅像の前で立ち止まった。満面の笑みを浮かべ、トニーとずっと向き合っていた。

90になっても衰えることのない歌唱力と年々増していく魅力の持ち主のトニーベネットには長生きをしてほしいと、心の底から願う。

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先月、ロザモンドと一緒に行ったユニオンスクエアの Sears Fine Foods にまた立ち寄った。トニーベネットもこのダイナーで食べたことがあるのかな。彼のサイン入りの写真が何枚も飾ってある。

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有名なスウェーデン式パンケーキを頼んでみた。小さくて薄いパンケーキが18枚(!)運ばれてきた。温かいメープルシロップとホイップバターでぱくぱく食べる。流石に18枚全ては食べきれなかったが。

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お勘定をすると金色のトーケンがもらえる。それを入口付近にあるスロットマシンに入れてレーバーを引くと、次のブランチが無料になるかも?

クジ運が強い母にスロットマシンをさせたが、今回はハズレ・・・

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さて、トニーベネットの『想い出のサンフランシスコ』のLPカバーに霧がかかったゴールデンゲートブリッジが映っているのだが、父がその風景を是非とも再現したいとのこと。

どこから写しているのかリルケにも一緒に研究してもらい、プレシディオの方へ出かける。

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結果がこの写真!いかがでしょう。

この日はからっと晴れていて霧が無かったけれど、橋の影の角度もけっこう近いのでは。父はとても喜んでくれた。




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by majani | 2017-06-20 07:30 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(2)

ゴールデンゲートパーク植物園

サンフランシスコの植物園を訪れた。

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ゴールデンゲートパーク内にある Conservatory of Flowers 。入場料は大人8ドル、学生6ドルと良心的。

草食獣のような優し気な顔をした受付のお兄さんが、私の着ている厚手のジャケットを見て「中は暖かいですよ」と教えてくれた。

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入るやいなや、熱帯雨林のようなアトリウム。時々、上からミストがしゅわしゅわと降下し、シダやヤドリギを細やかな水滴のベールで覆う。

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実際、動物はいないのだけれど、鳥の鳴き声やジャングルぽい(?)効果音が流れていて、どこか東南アジアの森林に迷い込んだかのような気分を盛り立ててくれる。

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これは蘭ね、と思うものもあれば、

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見たことのない、不思議な花も。サーモンピンクと薄紫の派手なこの植物は、地味なアラビカコーヒーの木に寄り添うようにしていた。

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色と形がハロウィンで配られるコーン状の飴に似ていることから「キャンディーコーン・インペーシェンズ」とも呼ばれる花。

学名 Impatiens niamniamensis の impatiens とは、ラテン語で「せっかち」の意味。種を爆発的にあちこちにぶちまけることから、「せっかちな」植物という異名が付いたようだ。

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ハイビスカスも負けずと派手なキャンデイーコーン色。

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アマゾンリリーが咲く池を一周する。

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Potted plants のエリアは、ウツボカズラやミドリノスズがありとあらゆる所で垂れ下がっている。

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中をそっと覗く。

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この子は本来オーストラリアに生息する食虫植物。長い葉に密集している赤い粘毛で虫を捕まえるらしいが、小さくカールした先端の葉は、まだフレンドリーで無害に見える。

学名の下に「ジャイアント」と書いてあるのが気になる。

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この植物は名前が分からないけれど、アルマジロのしっぽみたいな形が良い感じ。

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さて、この夏、植物園で一番注目を浴びているのが、この子。10年に一度、二日間だけ花を咲かせるインドネシアの巨大なショクダイオオコンニャク(Amorphophallus titanum)だ。

英語だと corpse flower 、つまり「死体の花」とも呼ばれることから想像できるように、開花した時は腐肉のような凄まじい悪臭を放つ。膨らんでいる巨大な蕾のような物は実は花ではなく、その中心に百もの小さな花が咲く。

因みに amorpho の意味は不定形あるいは奇形の、titanum は巨大な、phallus は男性器…。学名を付けたのは多分、男性。

私たちが先週訪れた時は、開花まであと一週間ちょっとだと教えられた。残念だったのか、ラッキーだったのか、ちょっと複雑な気分。

植物園のウェブサイトで、この「テラちゃん」の状態を生中継でチェックできるのよ~と植物園のスタッフが教えてくれたので、最近はこのライブストリームをモニターに流しならラップトップで仕事をしている。シュールな中継はこちら:
http://conservatoryofflowers.org/bloom/amorphophallus-titanum/

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何となく不気味なテラちゃんを後にして、蝶の部屋へ。何種類もの蝶が放し飼いになっている特別展示。

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シマウマのような模様の蝶は zebra longwing (学名は Heliconius charithonia)。

南アメリカに生息する蝶で、米国だとテキサスやフロリダなど暖かい場所にいるらしい。サンフランシスコは、ちょっと寒いよね。

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Julia butterfly (学名は Dryas iulia)の真っ赤なおしり。いつも高い所を飛んでいて良い写真が撮れなかったが、羽も炎のようなオレンジ一色。

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サナギが何段も並ぶ「バタフライ・バンガロー」。ガラス張りの展示箱が後ろから戸棚のように開く仕組みになっていて、蝶が繭からのそのそと出てくると、お兄さんが鉛筆の先に蝶を乗せて、他のが放し飼いになっているエリアに放してやっていた。

この子も、もうすぐバンガローを卒業する時期かな。

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沢山の蘭を見た。デリケートな花だと思い込んでいたが、意外と色々な気候でたくましく生きていることを、今回初めて知った。

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そしてみんな、表情豊か。

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上の dancing lady orchid は、チョコレートのような香りがした。

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私が一番気に入ったのは、このちょっと物々しい欄。

キノコに似せた、先端の白いコップのような部分に虫が止まると、それがトランポリンのように弾み、花粉がたっぷり付いている花糸に虫を擦りつける働きがあるんですって。これぞ自然界のイノベーション。

そして名前がまた良い。ドラキュラという蘭の種類だが、それは吸血鬼のことではなくて、ギリシャ語で「小さなドラゴン」という意味なのだと、植物園のスタッフが教えてくれた。髭がぴよんと出ていて、小さな竜の頭に見えなくもない、かな。

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大変勉強になりました。また訪問したいサンフランシスコの植物園。

Conservatory of Flowers
http://conservatoryofflowers.org/



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by majani | 2017-06-16 07:10 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

ピナクルズ

ドラマチックな火山岩や洞窟を探検しに、ピナクルズ国立公園へ。

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私たちがごく普通に暮らしているカリフォルニア州の下に眠るサンアンドレアス断層。その周辺で発生した地震により噴火した火山岩がそのまま残されている、カリフォルニアで最も新しい国立公園。

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ハイクのはじまり。

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カリフォルニア・ブルージェイが歌いながら出迎えてくれた。

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ハイクの序盤はちょろちょろと流れる小川が多い。水がとても澄んでいる。

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つま先で石を確認しながら、滑らないように渡る。アメンボも登場し始める。

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沢山の野花がトレールを綾なす。こちらはブルー・フィエスタ・フラワー。

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ウェスタン・ウォールフラワー。英語で「ウォールフラワー」は、物静かで控え目な人に対する表現でもあるが(女性に使われることが多く、あまり良い意味ではない)ウェスタン・ウォールフラワーは壁の花どころか、これでもか!とあちこちで橙色の花を咲かせていた。

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こちらは多分ルピナスの一種。

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お喋りしながら歩いていると、なんだなんだと、リスがトレールに出てきた。

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シマリスにも出会えた。可愛い…。

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さて、目指すはあの尖がってる感じのエリア。そこに洞窟がある。因みにピナクルは「頂点」という意味。

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シマリスなどがいた静かな森を出ると、大きな岩が目立ってくる。こんなサインも。

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神々しい光に包まれ、大自然の中を歩く。

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洞窟の入り口に到着。ここも少し水が流れている。あのおじいさんたちもスタスタと入っていくのだから、大丈夫だよね?

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ちょっと怖い看板があるけれど、本当に大丈夫・・・?というかウェットって、中にも水が?懐中電灯は持ってきていないが、ケータイの光で平気へいきと、自信満々のリルケの後を追う。

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あら、本当に大丈夫だった。けっこう光があるじゃないー

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と油断していたら、いきなり真っ暗!あとウェットだった。

ぬめぬめした岩を登らなければならない箇所もあり、私が先にケータイの貧弱な光で照らし、登り終わったリルケが今度は上から光を注いでくれ、両手を使ってよいしょよいしょと登る、の繰り返し。先にさっさと消えていったおじいさんたち、スゴイ。

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時折、岩と岩の間から光が入り込んでくる。

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光が当たる場所では、多肉植物が地面に落ちている。岩の隙間からぽろっと落ちてしまったのかな?

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今度はあの小さな隙間から下りに入る。

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背が高い人は、頭上に注意。あと、閉所恐怖症の方にはおススメできない。

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なんとか出てこられた。先ほどのおじいさんチームが出口の近くの岩に腰をかけて、ハムとトマトのサンドイッチを食べていた。

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暗くて窮屈な洞窟の後だと尚更、解放感がある。

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岩が手招きしているように見えたり、

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レイヤーケーキに見えたり。

私はどうも岩が食べ物に見えてしまうのですが、心理的にどうなのでしょう、これって。一昨年に行ったジョシュア・ツリー国立公園の広大な岩のフォーメーションは、溶けかけたアイスクリームに見えました。

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赤い絵の具にディップした筆のような花は、インディアン・ペイントブラッシュの一種。

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こんな所に?とカラッカラに乾いている場所に咲くカリフォルニア・ポピー。そのたくましい姿を見ていると元気が出る。

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今さっきまであのラザニアみたいな岩の上を歩いていたのに、気が付くと、ずいぶんと下の方まで戻ってきていた。

火山岩と青空の間を行くトレールと、スリリングな洞窟が楽しめる、ピナクルズ国立公園。割と気軽に行ける日帰りハイキングスポットでした。皆さんも是非。

Pinnacles National Park
https://www.nps.gov/pinn/index.htm




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by majani | 2017-06-01 04:38 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(2)

ハーフムーンベイの一日

久々のハーフムーンベイ。雲が一つもない青空に、ブルーのビーチパラソル。

優雅に寝そべりに来たわけではなく、日本から遊びに来ている義妹のアベローネちゃんの提案で、ハーフムーンベイで乗馬をすることになったのです。

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トレールの下見をする。こんなビーチを馬に乗って颯爽と駆け走る自分の姿が全くイメージできない。馬は美しくて大好きだけれど、子供の時におとなしいポニーにちょっと跨がせてもらった経験しかないので、小心者の私は振り落とされないか心配。

2時間コースを予約していた Seahorse Ranch に到着すると、沢山の馬が日陰に並んでいる。一頭ずつ、鞍に馬の名前が書きこんである。身長と体重を事前に伝えておき、牧場側が体格に合う馬を選んでおいてくれるシステムだが、コースを始めるまでどの馬とペアを組まされるのか分からない。あの Grumpy という馬だけは絶対に当たりたくないと神に祈りながらヘルメットを調整した。

リルケはつやつやで真っ黒のソンブラという馬、アベローネはおっとりしている白と茶色のモー君。私は一回り小さい、ハチミツ色の馬が与えられた。その名は「サムライ」。いきなり不安が募る名前です。

10歳くらいのサムライは、ティーナ・ターナーみたいなワイルドなたてがみだった。

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アイスプラントの花畑。

アベローネに続き、私とサムライ、最後にリルケの順番で一列になり、花畑や小川を渡るトレールを進み始めた。

サムライがしょっちゅう遅れを取ってしまう。美味しそうな花があると味見してみたり、立ち止まったかと思うといきなりパカパカ走り始めたり。完全になめられてるなあと思いながらも、物ぐさなサムライに親近感を抱くようになった。

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サムライはアイスプラントには興味がない。

一応、ガイドが付いている。カウボーイ帽子を被ったダンディーなアルマンドは、哀しげな目の Eeyore に乗って先頭を行き、時々、後ろの私たちの様子を確認する。アルマンドは、「アミーガ、アミーガ」とスペイン語で話しかけてくる。

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花畑の難関を突破したかと思うと、今度はビーチに降りて馬をギャロップさせるのだとアルマンドが言う。「アミーガ、サムライがギャロップし始めたら、尻をこう上げるんだ!ほら、私の尻を見ろ!」とお手本まで見せてくれました。

落馬して足を折ったら教授に遊んでいたことがバレる!そう一心に思いつめ、必死に腰を上げてサムライにしがみつく。カメラが厳しく禁止されていたので証拠写真が一枚もないのですが、ちゃんとギャロップできました。本当ですよ。

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土と日向の匂いを身にまとい、フードトラックに似せた Dad's Luncheonette で遅いランチを。(バナナスラッグの帰りに寄った同じ場所ですが、グリルチーズ屋さんはもうなくなっていた。)

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ハンバーガーサンドと、グリルマッシュルームのサンドの二種類から選ぶ。ちょっぴり辛いマヨネーズベースのソースに、赤玉ねぎのピクルスとフライドエッグが挟んである豪快なサンドイッチは、海風に吹かれた体のエネルギー補給にぴったり。

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お髭の爽やかオーナーが上の厨房から出てきて、自らサンドを渡してくれた。ここで作っているポテトチップスと、マリオンベリーのブロンディー(ココアパウダーを使っていないブラウニーの様な焼き菓子)も美味しかった。

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乗馬マシンがあるくらいだから、体中の筋肉を使うのでしょうね。巨大なサンドを食べた後もまだお腹が空いていた。

晩御飯はマウンテンビューの Eureka! という店で、イチジク、ベーコンとアルグラのハンバーガーに、厚めに切ったフレンチフライ。一日に二度もニュー・アメリカンな外食で大満足。

その夜は、サムライに乗っている夢を見た。



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by majani | 2017-05-09 11:35 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(2)

彫刻の森

一時帰国記録の続き。

旅館の近くにある、彫刻の森美術館。20年ぶりに訪れた。

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カール・ミレスの『人とペガサス』。横向きに飛ぶペガサスを見ると、子供の頃の思い出がわっと戻ってきた。

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曇りがちの日で、セピア色に染まる敷地。

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池の方に向かうと、人が鯉に餌をやっている。

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子供の頃から、黒くて大きい鯉が、ちょっと怖い。

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ピカソ展でミミズクの水瓶に見入っているあの眼鏡の白人カップルは、箱根登山鉄道で私たちと同じ車両に乗っていたような。同じルートを辿っているのかな。外国人の観光客が割と多い。

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ヘンリ―・ムーアの作品をいくつか見て思ったことですが、ピカソが目や鼻や耳などをしつこく強調する一方、ムーアはこれらをスムーズに簡略化してしまっている所が面白い。こうして様々なスタイルが楽しめる美術館ですね。

上は井上武吉の『マイ・スカイ・ホール(天への道)』。

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エミール・アントワーヌ・ブルーデルの『雄弁』。他、『自由』、『力』、『勝利』を象徴する強そうな4人組で並んでいる。

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こちらはニキ・ド・サン・ファールの1968年の作品。懐かしい。『ミス・ブラックパワー』っていうんですね。今回初めて知りました。

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これで「文化的なこと」も一つできた。帰りは小田原城を遠目に見がてら、二宮金次郎を祀る報徳二宮神社でお参りをすることに。

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神社の中を歩いていると、きんじろうカフェという店を発見するが、あいにく閉店時間を過ぎている。

二宮金次郎のシルエットをココアパウダーで描いた、こんなかわいいカプチーノが飲めるらしい。「きなぽん」とかいうデザートも、何だかよくわからないけれど、美味しそう。

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夜の食事は、明治26年に創業した老舗の料理店、「だるま」にて。お寿司や天ぷらなどを大量に注文。

冷たい風に吹かれて一日中歩き回っていたので、温かいキンメダイの煮付けが殊更美味しい。

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混沌とした商店街でロザモンドの足が止まった。「わたし、スズカマ買ってくる!」と鼻息を荒くして店に飛び込んでいった。「わたしはカステラ焼き食べてくる」とジュリエットも人混みの中へ。

外のベンチで一服していると、ピカソ展と、その後またカフェで見かけた外国人カップルが、なんとここにも現れた。ロザモンドと一緒になって、鈴廣かまぼこを無言でじっと見ている。声をかけようかなとも思ったけれど、かまぼこという物体を不思議がってはいるもの、困っている様子ではないようだ。

今度は若い白人男性が、地球を担ぐアトラスのように巨大なリュックをしょってやってきた。カステラ焼き箱根饅頭をその場で焼く様子を真剣な目で眺めている。ちょうど隣でジュリエットが焼き立てをぱくりと食べるのを見て、僕も欲しいなと思ったらしい。もたもたとリュックからジップロックに入った日本円を取り出し、一万円札でカステラ焼きを買っていた。それを一口食べると、若者は一瞬にして無邪気な笑顔になり、ぼーっと見ていた私に、「これ、美味しいよ!」という表情で微笑んできた。

こちらまで何だか嬉しくなってしまって、日本に来てくれてありがとうと伝えたかった。


箱根の旅、おわり。次回はもう少しゆっくりしたい。



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by majani | 2017-03-16 13:41 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

ポイントレイズの一日

冬はどうも運動不足になってしまう。リルケに誘われて、久々にハイキングに行ってきた。

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向かったのはポイントレイズ。以前はここでエルクの求愛を観察したが、今回はペニンシュラの南側の Palomarin Trailhead から歩き出し Alamere Falls という滝を見る目的だ。

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最初に出会ったのは、カリフォルニアでよく見かける真っ青なカケスの一種、California scrub jay 。

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木のてっぺんに、小さな丸いシルエット。双眼鏡で確認してアンナハチドリ(Anna’s hummingbird)だと分かった。まるで派手な帽子を被っているような赤い頭が雄の特徴。

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小鳥が多いトレールで、姿が見えなくても茂みの中から聞こえてくるさえずりと波の音がハイクのBGM。鳴き声で鳥の種類を教えてくれるアプリってないのかな。

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パロマリンのトレールはダグラスファーとユーカリの木が目立つ。

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海岸から少し離れ森の中に進んでいくと、ところどころに池や小さな湖がある。上は「ペリカンレイク」というが、ペリカンはお出かけ中なのだろうか。

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最近の大雨でトレールは以前になく青々としている。

基本的にはルピナスや、西部劇に出てきそうなセージブラッシュ、また赤がかったコーヒー豆のような実をつけるカリフォルニア・コーヒーベリーなど、乾いた地域で育つ植物が多い。

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それにしてもアラミア・フォールズが全然出てこないぢゃないか!泥道に飽きてきたころ、違うルートから歩いてきた、ワイルドキャット・キャンプ場に向かっているボーイスカウトたちに遭遇した。

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ボーイスカウトのリーダーに滝を探していると話してみると、どうやらリルケと私はずっと前に曲がる地点を逃していたようだ。若者たち、助けてくれてありがとう。

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アラミア・フォールズにやっと到着。滝も良いけれど、海の方がドラマチック。

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見晴らしがよい崖の先っぽにリュックを下ろし、グラノーラやチョコレートを食べながらの休憩。

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若いミヤマシトド(white-crowned sparrow)がすぐ側までやってきた。成長したミヤマシトドは冠がシマウマの模様のように白と黒に変わる。

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ミヤマシトドもランチタイム。ぴょこぴょこと飛び跳ねながら、草と砂利の中から餌を見つける。

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ピンと背筋を伸ばし、何かが気になる様子。崖の裏からアカオノスリ(red-tailed hawk)が気持ちよさそうに巡回してくると、ミヤマシトドはしゅっと茂みの中に消えてしまった。

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アラミア・フォールズが折り返し地点。そろそろ出発です。

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午後の優しい光で、トレールの表情が少し変化している。迷子になった時間も含めて半日がかりで楽しんだ out-and-back ハイク(同じ道を歩いて戻ってくるという意味)だった。

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帰りの道はとても静か。

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途中で車を降り、ディナー中のイソシギの群れを見つける。

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最後にもう一度、ポイントレイズを確認。ちょうど日が沈むところだった。




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by majani | 2017-02-19 10:12 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

星空により近く

ハミルトン山の Lick Observatory までドライブをしてきた。

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リック天体観測所は、10校に及ぶカリフォルニア州の公立大学システムに在籍中の天文学者が利用する研究施設だ。

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うねうねした山道をカタツムリのペースで一時間近く上る。なかなかドーム型の天文台との距離が狭まらない。

やっと何か白い建物が見えてきたと思うと、研究者たちの宿舎だった。写真の右下に見える貨物列車のような形の宿舎で、私たちと同じ身分の大学院生や研究者が生活しているのだ。

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彼らは星空の学者たち。主に夜に仕事をするので、日中は寝ている。学者たちを起こさないように「静かにお願いします」と看板が立っていた。

夕方までは研究所の一部が一般公開されている。

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ロビーに入ったところに、「グーグルありがとう」のバナーが垂れ下がっていた。グーグル社から資金が出ているらしい。

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天文台の中。

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その昔の天文学者たちは、自分の目に頼るしかなかった。上は、エドワード・エマーソン・バーナードが、1891年7月に望遠鏡をのぞきながらスケッチした天体の観察記録。

数年後、バーナード氏は木星の五つ目の月を発見する。

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リルケは子供の頃、家族と時々リック天文台に来ていたという。「どうしても雪が見たかったから」だそうだ。

ナンデモアリフォルニアの冬は毎年暖かくて滅多に雪を見ないが、天文台の裏に回ってみると、

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誰かが作った雪だるまが、土交じりの少し不満気な表情を浮かべ、研究所の裏口を見張っていた。ニンジンを使っていて、けっこう本格的だ。

作ったのは、遊びに来た子供、それとも、眠れなくなってしまった学者だろうか。

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夕暮れ。そろそろ星空の学者たちの一日が、スタートする。



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by majani | 2017-01-30 09:07 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(2)

ラトビアのウェディング

「僕たち、なんていう村に行くんだっけ」

「さあ」

幸先悪い会話で始まった二時間半ほどのバス旅。ラトビア紀行の続きです。

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そもそもラトビアに来たのは、ラトビア人とロシア人の友人カップルが結婚式に招待してくれたため。挙式はリガの旧市街のホテルで行われた。

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妖精のように華奢な新婦。彼女のヴィンテージ風のドレス姿は美しかった。

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挙式が無事に終わり、私たちは毛皮やコートをまとい、小さなバスに乗り込んだ。リガを離れたカントリーサイドで披露宴とダンスパーティーが行われる予定だが、ゲストたちはその場所の名前が思い出せないまま、英語を喋らないバス運転手に運命を委ねる…。

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バスに揺られているうちに眠ってしまった。目が覚めると、石畳の街はとっくに消えていて、窓の外はビロードのような暗闇が広がっていた。

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たどり着いたのはゲストハウス。翌朝、やっと外からの様子が分かった。

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新郎新婦はまだおめかし中。披露宴会場でホットワインをすすりながら、カップル宛てのメッセージを書き込む。メッセージカードは、ゲスト一人ひとりにカスタマイズされていて、愛や結婚に関する引用文が印刷されている。

私のカードには、オスカー・ワイルドの喜劇 A Woman of No Importance より、「愛されていて、貧しい者などいるだろうか」の言葉。

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田舎のラスティックな雰囲気に合わせて、テーブルセッティングは、静かな森林を想起させる色調。松ぼっくりや白いアネモネなどを使っている。

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肌寒くて、ホットワインをジュースのようにぐびぐび飲んでしまう。ワイン、ホットワイン、ウォッカ(ストレートで)が一晩中注がれているが、不思議とビールは見当たらない。

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ディナーも美味。

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新郎新婦がファーストダンスを披露する。会場に大きな円を描きながら、軽やかなワルツを見事に踊り切る。

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ラトビアの結婚式はゲストも新郎新婦も大忙し!

ゲームあり、スピーチあり、最後には地面が凍っている外に追い出されて、暗闇の中でラトビアの伝統的な民族ダンスを皆で踊る企画まで。速い回転が多い踊りばかりで、まるでジムに来たような運動量。一方、クリップボードを持っている司会者は、英語、ラトビア語、ロシア語の三カ国語を操り、一晩中しゃべり続けていた。(「はいッ、ここで掛け声をお願いします!」と、三カ国語で踊りも仕切っていた。)いやはや、大変な仕事だ。

カップルでダンスの上手さを競う dance-off まで参加させられる。こういうの大の苦手なのですが、ジェームズ・ブラウンがたまたまかかってきて、ワイン漬けになっている私の中で何かがスイッチオン。「一番フットルース(footloose)なカップルで賞」をありがたく頂きました。

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へとへとになって、ゲストハウスに戻ったのは深夜3時頃。朝の7時までずっとダンスパーティが続いていたそうだ。ラトビア人、ロシア人強し!

人生で一番頑張った結婚式だった…

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晴れて、数時間後の朝ごはん。トリュフ和えのカプレーゼのようなサラダや、チーズ、ハム、ポテト、オムレツ、ヨーグルト、お決まりのニシン、そしてラトビア式のクリームたっぷりの、まろやかなオートミール。

熱~い、ブラックコーヒーも。ラトビアのコーヒーは、酸味が少なくて、私の好み。

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まだ誰も起きてこない様子なので、リルケともう一組の早起きカップルを誘って、外を散歩する。

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昨夜、バスを降りた時は何も見えなかったけれど、こんなに素敵な場所だったのね!と確認する。

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普段はナンデモアリフォルニアでヤシの木ばかり見ているので、何もかもが新鮮。真冬のラトビアの風景は美しい。

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牛小屋(かな?)やゲストハウスの方向を指す看板。

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干し草の俵がぽつぽつと見えてきた。動物や鳥の気配が全く無いのが不思議。

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人の気配も、ない。

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ゲストハウスに戻ってくると、ようやく他のゲスト達が朝ごはんを食べに降りてきた。

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迎えのバスがもう砂利道の先まで来ていると、誰かが報告する。もう一杯だけコーヒーを飲んでいこう。この風景を見るのは、最初で最後かもしれないからね。

のんびりラトビア紀行、おわり。付き合っていただき、ありがとうございました。



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by majani | 2017-01-27 06:13 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

リガの旧市街

ラトビア紀行の続き。
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季節外れになってしまいますが、クリスマス直前のリガの話。

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12月のリガの旧市街は、どこへ行ってもクリスマスムードで賑わっていた。

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ホテルで渡された地図に載っていないような狭い路地に、いきなりクリスマスツリーが立っていたりする。

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そもそも、ラトビアはクリスマスツリー発祥の地だとか。木を初めて飾り付けしたのはうちの方が早かった、いいやうちだと、お隣さんのエストニアと長年喧嘩をしているらしいが、いずれにしてもクリスマスマーケットに力を入れているのがうかがえる。

上はクリスマスマーケットの入り口。

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雨交じりの雪が降る寒い朝の散策は、ホットワインを飲みながら。どこでも売っているけれど、シナモンやクローブなど、スパイスの塩梅が若干違うので、飲み比べをしてみるのも楽しそう。(値段もちょっとずつ違う。)

私たちが選んだ2,50ユーロのホットワインはジンジャービスケットが付いてきた。

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クリスマスマーケットを始め、リガのレストランやバーではドイツ語の Glühwein、また、ラトビア語の karstvīns の表記が目立つ。確かに、ホットワインを飲んでいないとやり過ごせない極寒。ラトビア版のホットワインはウォッカが入っていることも。

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手作りのハチミツとジャムに、タンポポのように黄色い花粉が散らしてあるダークチョコレート、クリスマスクッキー、キャンドル、出来立てのパン、ガラス細工、そして毛皮までを売る様々な屋台が設けられている。

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売り物の写真をパシャパシャ撮りながらだと煙たがられるので行儀良くケータイはしまっていたが、この如何にも冷たそうな石畳の街中にぽつりぽつりと光る屋台のランプと、色鮮やかな焼き菓子や商品は、ちょっとしたオアシスに感じられた。

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何故かウサギと羊もいる。食べられてしまうわけでは…なさそう。

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クリスマスマーケットを後にし、ホットワインを飲みながらぶらぶら歩いていると、雑貨や小物を売るテント状のマーケットに出た。木製のおもちゃに、飴玉のようなガラスの指輪や、ラトビアの伝統に根差したパターンの編み物がずらりと並ぶ。あれもこれもと、たくさんお買い物をしてしまいそう。

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この屋台のお兄さんだけは流暢な英語を喋っていた。(久々に、そして一瞬だけ、言葉の霧のモヤモヤが開けて嬉しかった。)決して高価な物ではないけれど、家族が喜びそうな物をひとつ、ふたつ買うと、お兄さんは赤いノート帳に記録を付けた。

最後に、「来年は酉年だね、おめでとう」と言われる。まだ何かがロストイントランスレーションだなあと首をかしげながら、次に行く。

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さて、ラトビアといえば、手製のミトン。指の部分が三角形になっているのが特徴で、詳しくは知らないが、パターンや色に意味があるらしい。2016年に和訳が出た『ラトビアのミトン』 がおススメよと、178コの伝統的なパターンが載っている編み物の本を店員が見せてくれた(拝見させてもらった英語版はこちら)。

こんな高度なミトンを編む自信がない私は、ラトビアのおばあさん達が編んだ物を一双ずつはめてみた。東京の冷える朝の散歩用にと、暖かいミトンを日本に住む家族に持ち帰ることにした。



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by majani | 2017-01-19 07:50 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

霧のラトビア

不安になるほど小さなバルト航空の飛行機に乗りこんだ。ベルリンで引き留められて半日以上つぶれてしまったが、いよいよラトビアへ。

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石畳の街、リガ。旧市街の Radi un Draugi ホテル(ラトビア語で友達と家族という意味)に泊まっている。

向かい側のフレンチビストロは深夜を過ぎてもシャンソンを引き続き流している。ビストロの名前がまた良い。ボンヴィヴァン、つまり、楽しく生きる人だ。

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最後に見たのがベルリンのゲシュタポ資料館だったためか、二人とも相当気分が沈んでいる。せめてボンヴィヴァンで何か食べないかとリルケを誘ってみるものの、彼はベッドを乗っ取ると一向に動こうとしない。私は一人で夜のリガの街を散策する…ほどの元気は流石になかったけれど、近くに Narvesen というコンビニを発見し、そこで調達した飲み物やチーズサンドイッチをホテルに持ち帰った。

サンドにはレリッシュみたいなピクルスが沢山入っている。ここはピクルスが盛んな国なのかしら。良い旅になりそう―そんな予感をさせる、コンビニで買ったとは思えないほど美味しいサンドだった。

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翌日、ホテルのレストランで朝食を取る。ミニマリストなデコールは一見、北欧デザインを思わせるが、色彩の使い方や飾ってある絵の感じは、やはり何となく東欧の香りがする。

といっても、私はバルト三国は今回のラトビア訪問が初めてで、「東欧ぽい」漠然とした印象や、慌てて調べたラトビア語(とロシア語)の欠片しかない、未知の世界だ。言葉が通じない国で生活をするのはまるで霧の中を歩いているようだと、母が昔言ったことがあるが、コミュニケーションが取れない異文化の霧の中で、「これは東欧ぽい」とふと感じさせるのは、何だろう。霧の中を歩くこの感覚は、ラトビアにいる間ずっと続く。

朝ごはんを食べに降りてきて、ホテルスタッフに速いラトビア語で何か話しかけられた時、私は記憶の底からとっさに引っ張り出した「おはようございます」としか返答できなかった。(敬語の仕組みが分からないから、「おはようさん」みたいな変な言い方だったかもしれない。)う~ん、霧はまだまだ深い。

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ビュッフェに並ぶものは全て英語で記されているので分かりやすい。例えば、酢漬けのニシン三種類、ローストポテト、クレープ、手製ヨーグルト。半熟卵は「3分」「5分」と、茹でてある時間別に記されたバスケットの中に寄り添うように詰まっている。「ラトビアのハム」とか「ラトビアのチーズ」とか丁寧に書いてあるけれど、ラトビアのハムって何だろう。

ニシン美味しい!ここはやっぱりピクルス天国なのね!とわあわあ騒ぎながら、おかわりをする。

ピクルスといえば、後日、また Narvesen のサンドイッチが無性に食べたくなり調べてみたところ、ノルウェーのコンビニ系列だと知る。ラトビアに騙された(?)気分だが、そういえばノルウェーの料理もニシンを酢漬けにしたり、ピクルス系のものが多いような。寒くて海に面している場所に住む人々はなんでもピクルスにしちゃうのかしら。これももちろん、霧の中の勝手な解釈ですが・・・。

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ところで、このホテルの部屋のバスルームをどう思われますか。オレンジ色のチェック柄に最初はびっくりしたが、変に愛着が湧いてきてしまう。



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by majani | 2017-01-17 07:31 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)


ナンデモアリフォルニアの某大学院で研究中。海外生活、旅、散歩で出会った生き物などの記録です。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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