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雨の日のロダン

降ったり止んだりの雨。天気のせいでブルーになりがちな日は、ロダンの考える人の顔をのぞきに行く。

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毎日、キャンパス内の美術館の前を通ってオフィスに向かう。雨の日の人影は、ロダンの彫刻だけ。

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ある夕方、寄ってみた。

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『地獄の門』。「考える人」が門の中心に座っている。よしよし、今日も考えているね。

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晴れていれば美術館のオープンエアカフェに座って、ビールを飲みながら生徒のペーパーの採点ができるのになあ。上は一年前にそうしていたとき。お気楽に過ごしていた時期だった。

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生徒たちが書いたエッセイの山を築き、今夜も作業に取り掛かる。大学院生には週末も平日もないんだなと、今さらだけれど、改めて思う。


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by majani | 2017-02-25 11:28 | 院生リンボー | Trackback | Comments(2)

ポイントレイズの一日

冬はどうも運動不足になってしまう。リルケに誘われて、久々にハイキングに行ってきた。

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向かったのはポイントレイズ。以前はここでエルクの求愛を観察したが、今回はペニンシュラの南側の Palomarin Trailhead から歩き出し Alamere Falls という滝を見る目的だ。

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最初に出会ったのは、カリフォルニアでよく見かける真っ青なカケスの一種、California scrub jay 。

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木のてっぺんに、小さな丸いシルエット。双眼鏡で確認してアンナハチドリ(Anna’s hummingbird)だと分かった。まるで派手な帽子を被っているような赤い頭が雄の特徴。

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小鳥が多いトレールで、姿が見えなくても茂みの中から聞こえてくるさえずりと波の音がハイクのBGM。鳴き声で鳥の種類を教えてくれるアプリってないのかな。

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パロマリンのトレールはダグラスファーとユーカリの木が目立つ。

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海岸から少し離れ森の中に進んでいくと、ところどころに池や小さな湖がある。上は「ペリカンレイク」というが、ペリカンはお出かけ中なのだろうか。

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最近の大雨でトレールは以前になく青々としている。

基本的にはルピナスや、西部劇に出てきそうなセージブラッシュ、また赤がかったコーヒー豆のような実をつけるカリフォルニア・コーヒーベリーなど、乾いた地域で育つ植物が多い。

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それにしてもアラミア・フォールズが全然出てこないぢゃないか!泥道に飽きてきたころ、違うルートから歩いてきた、ワイルドキャット・キャンプ場に向かっているボーイスカウトたちに遭遇した。

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ボーイスカウトのリーダーに滝を探していると話してみると、どうやらリルケと私はずっと前に曲がる地点を逃していたようだ。若者たち、助けてくれてありがとう。

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アラミア・フォールズにやっと到着。滝も良いけれど、海の方がドラマチック。

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見晴らしがよい崖の先っぽにリュックを下ろし、グラノーラやチョコレートを食べながらの休憩。

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若いミヤマシトド(white-crowned sparrow)がすぐ側までやってきた。成長したミヤマシトドは冠がシマウマの模様のように白と黒に変わる。

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ミヤマシトドもランチタイム。ぴょこぴょこと飛び跳ねながら、草と砂利の中から餌を見つける。

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ピンと背筋を伸ばし、何かが気になる様子。崖の裏からアカオノスリ(red-tailed hawk)が気持ちよさそうに巡回してくると、ミヤマシトドはしゅっと茂みの中に消えてしまった。

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アラミア・フォールズが折り返し地点。そろそろ出発です。

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午後の優しい光で、トレールの表情が少し変化している。迷子になった時間も含めて半日がかりで楽しんだ out-and-back ハイク(同じ道を歩いて戻ってくるという意味)だった。

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帰りの道はとても静か。

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途中で車を降り、ディナー中のイソシギの群れを見つける。

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最後にもう一度、ポイントレイズを確認。ちょうど日が沈むところだった。




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by majani | 2017-02-19 10:12 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)

レバノン料理

ちょっと珍しいレバノン料理屋 Tawla で、ルポ夫婦とマドンナさんと待ち合わせ。

ハワイで結婚式を挙げたルポがサンフランシスコに遊びに来ていて、久々にミッションのバレンシア街で食べた。

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店員に薦められたロックフィッシュのオーブン焼き、samakeh harrah (55ドル)。くるみのスタッフィングに、滑らかなタヒーニとぷちぷちしたザクロの種。この食感の掛け合いが面白い。

マドンナさんが美味しい身の部分を一人でパクパクと食べてしまって、私は味がイマイチよく分からなかったのですが、とにかく見た目が楽しいです。

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レバノンのクリームチーズのようなヨーグルト、labneh 三種類。ちぎったパンで、最後の一滴までお皿から拭い取るほどの美味しさ。

パンは種付きと(4ドル)プレーンなもの(3ドル)二種類があり、いずれともレストランで焼いている。注文する価値あり。

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ミントと松の実、そして中東の料理でよく使われるブルグアをまぶしたラムのたたき kibbeh niyyeh や、タンポポの若葉和えのタコなど、アペタイザー類が美味しかった。

他にサクランボとピスタチオ入りのミートボールなど、普段は思いつかないコンビネーションが活かされている。

ルポのご主人が一人だけ騙されてモロッコ産の不思議なワインを飲んでいたが、けっきょくはカリフォルニアのピノが一番相性良いんじゃないかという結論に至る。ワイワイやっているうちに終電の時間になってしまった。

親しい友人とシェアしたい、レバノン料理。次回はもう少し大きいグループで、メニューで目にして気になってしょうがなかった140ドルのラムを、堂々と頼んでみたいものです。


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by majani | 2017-02-15 14:51 | 食べる人々 | Trackback | Comments(0)

クラムチャウダー国家

マドンナさんとよく行く、フェリービルディング内の定番のお店、 Hog Island Oyster Company。海が見える外の席に座って、久々にクラム・チャウダーを食べた。

先週はボストンに行く用事があり、ふと思い出した。クラムチャウダーは本来、東海岸のものなのだ。ニューイングランド地方のクラムチャウダーはクリームベースで、マンハッタン版はトマトベース。

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サンフランシスコのホグアイランドで食べたのは、クリーミーなニューイングランド風だけれど、くどくない味。


さて、神聖なクラムチャウダーを真っ赤にしてしまったニューヨーカーの冒とくに腹を立てたメイン州の人々は、1939年に、クラムチャウダーにトマトを入れることを禁じる規制を導入しようとした。このちょっとした事件から見受けられるように、アメリカ人のアイデンティティはある程度、地方のプライドに根差している。

しかしバリエーションが豊富であるにも関わらず、「クラムチャウダー」は実に「アメリカらしい」一品だと私は思っている。アメリカの小説家ハーマン・メルヴィルは『白鯨』(1851年)で、クラムチャウダーを次のように描写している。

However, a warm savory steam from the kitchen served to belie the apparently cheerless prospect before us. But when that smoking chowder came in, the mystery was delightfully explained. Oh, sweet friends! hearken to me. It was made of small juicy clams, scarcely bigger than hazel nuts, mixed with pounded ship biscuit, and salted pork cut up into little flakes; the whole enriched with butter, and plentifully seasoned with pepper and salt.

嗅いだだけで体が温まるような、バターと海とベーコンのあの香り、あのまろやかさ。全ての地方のチャウダーに通ずる、アメリカらしい暖かさがある。(どうでもいいですが、pounded ship biscuit って美味しそう。オイスタークラッカーみたいなのかな。)

「アメリカ第一」を唱えるトランプ政権は、ナショナリズムの名を借り、イスラム教徒や女性の権利、および世界中から引き寄せられた研究者の生活を阻もうとしている。これはもはやナショナリズムでも何でもない。

クラムチャウダーに色々とあるように、それぞれの伝統、価値観、宗教や考え方を尊重し、尚且つ「アメリカ」という包括的な国民意識を育むことは矛盾に至ってしまうのだろうか。アメリカは人種の坩堝だとよく言われているが、世帯所得を始め、住む場所や通う学校などが、人種別に割とくっきりと分かれているのが実際問題としてある。そんな中、私たちだって苦しいのに見捨てられてしまったと感じた、激戦州に住む低所得の白人がクリントンを信頼できなかったことがトランプ就任の背景にある。白人であるが故に見捨てられたという気持ちも、潜んでいるかもしれない。

移民が多い米国は、クラムチャウダー国家モデルでここまでやってきた。それがトランプ政権の下、少しずつ、ツイッター発言の一言ひとことで、崩れ始めているように思われる。現に、直近の移民規制に対し、 “This is not who we are” 、すなわち、「これは、本来の私たち(アメリカ人)ではない」と懸念を示すナラティブが民主党側で主流化している。多様性を掲げ「違い」を強さとし、一人ひとりの人権を守ることが、アメリカ人のあり方のDNAに組み込まれているという主張だ。

因みに、1939年のメイン州のトマト禁止法は、けっきょく通らなかった。だからこそ、「うちのクラムチャウダーの方が良い!」と健全なライバル意識があるのではないのかなあ・・・

そんなことをつらつらと考えながら、ボストンクラムチャウダーを小さなスプーンで口に運んだ。

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ボストンは雪と風と氷で、毎晩ホテルに帰っては熱いお風呂で体を解凍していた。(風呂仲間はホテルの部屋に付いてきた黄色いラバーダッキーちゃん。)

ナンデモアリフォルニアに馴染んでしまった私は、手に霜焼けを負ってよぼよぼと戻ってきた。ラトビアの手袋を自分用にも買っておけばよかった~と悔しむ、寒い寒い出張でした。


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by majani | 2017-02-13 09:41 | 食べる人々 | Trackback | Comments(0)


ナンデモアリフォルニアの某大学院で研究中。海外生活、旅、散歩で出会った生き物などの記録です。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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