ビートジュース

先週末、私はこれまでにないヒドイ二日酔いに見舞われていた。幸い、二日酔いに効くジュースを発見。

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それはビートジュース。その名も "Beet Me Up"。ノリータのマルベリー街にある Tartinery というフレンチビストロで作っている。

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真っ赤なビートジュースに、クリーミーなラテ。

ビートというとまず思い浮かぶのは真っ赤なボルシチだが、レモン、ニンジン、リンゴなどを加え、冷たい新鮮なジュースにするととても美味しい。甘すぎないのがポイント。

次回は Tartinery の他のジュースも試してみたい。自分で4つまで材料を選び、オリジナルのジュースを作ってもらうこともできる。友人はイチゴ、アーモンドミルク、ミントという少し不思議なミックスジュースを飲んでいた。

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看板メニューのタルティーンは頼まなかったけれど、半熟加減がちょうど良いポーチドエッグにホランデーズがかかった eggs florentine を食べた。ビスケットがスコーンのように甘く、うまい具合にほろほろしていた。

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こちらは近くの Milk and Cream Cereal Bar のアイスクリーム。ピーナッツクランチとジャムが乗っているアメリカらしい豪勢なデザートは、4人がかりでやっと食べきることができた。

そもそも何故二日酔いになったか。

先週は仕事の面接でマンハッタンに来ていた友人メガトロンを家に泊めていた。(メガちゃんは時々このブログに登場している。大学で親しくなったグループの一員で、現在フィラデルフィアに住んでいるお医者さん。)

メガちゃんが、面接の翌日に新しいボーイフレンドがニューヨークに車で迎えに来てれるという。今年に入って大学友人グループのほとんどのメンバーがニューヨークに引っ越しているので、「なぬ、新しい彼氏とな?」と急遽、全員出動となった。30代にもなると仕事が忙しいし、友人や恋人と過ごす時間がそれだけ貴重になるわけで、ボーイフレンド選びも慎重になる。特に医者は激務で睡眠時間が常に惜しい。ダメな相手とデートするより私は寝たい、あなたたちも彼に会ってみて感想を聞かせてほしい、とメガちゃんは話す。そうして、ボーイフレンドが到着する前夜は皆で飲みながら彼のことを色々聞き、翌朝のブランチに本人が参加して直に尋問を受ける、というプログラムが打ち出された。

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前半の夜。楽しく食事をした後、PHD というルーフトップラウンジに移動した。誰かがウィスキーをテーブル用にひたすら頼み続けていたので、私たちはすっかり酔ってしまった。

帰りがけにメガちゃんと Artichoke に寄り、ハロウィーンの仮装をした若者たちに交じって、アーティチョークやロブスタークリームのピザをはふはふ食べたのをぼんやり覚えている。最後はLyftを呼ぶエネルギーすらなく、運良く通ったイエローキャブを、命がけで縋りつくようにして止めた。

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翌日、私たちはこのカボチャのような姿&気分だった。

凄まじい二日酔い。一人は貧血を起こして病院に運ばれブランチに現れない、また一人はブランチ中にトイレに駆け込んでは嘔吐の繰り返し(彼女は二日酔いだけではなく、ブランチ前に参加したベビーシャワーで食べたバナナプリンが祟って食中毒になったというのが通説)。メガちゃんは無言で体を小さくして座っている。昨夜、唯一早めに帰った子だけがケロッとして会話を繋げてくれたので、なんとか助かったが、メガちゃんの新しいボーイフレンドはこうして厳しい尋問を免れたのである。

それにしても全員でヒドイ第一印象を与えてしまって申し訳なかった!もう若くないと痛感したブランチでした。

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ハロウィーン当日に近くで怖いテロ事件があった。まだ二日酔いの余韻が残っていたので私はその日おとなしくしていたが(スペイン語の授業に出たくらい)、今年のグリニッチヴィレッジのハロウィーンパレードは参加者が例年に比べ少なかったと聞く。大都会だとトラック一台が凶器になるから怖い。

けれど、びくびくしながら生活していたってしょうがない。ハロウィーンが終わると、さっさと感謝祭に向けて準備を始めるアメリカ。私のマンションのエレベーターに住むこのモンスターも、11月1日の朝には、そそくさと退散していた。




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# by majani | 2017-11-04 06:17 | 食べる人々 | Trackback | Comments(2)

テイクアウトのメッカ

カリフォルニアの家を引き払って一カ月、マンハッタンにやってきて二週間が経った時のこと。新しい住まいが整うまでアッパーウェストサイドのホテル生活が続いていて、さすがにレストランでの外食がしんどくなってきた。早く自分のキッチンに立って料理をして、ケールでももしゃもしゃ食べたい。

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そこでふと思い出した。何も高いレストランで毎晩食べなくても、出前を取れば良いことじゃないか、と。そしてニューヨークは、テイクアウトとデリバリーのメッカ。デリバリーの定番である中華やピザはもちろん、香り高いカレーに地中海料理、さくさくのバクラヴァからラーメンまで、お兄さんが自転車を飛ばして家に持ってきてくれる。

今回は、テイクアウトした、またデリバリーをしてもらって美味しかった(不健康な)B級グルメの話。

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カリフォルニアで大人気の In-N-Out Burger に対する、ニューヨークの Shake Shack 。

2004年にマディソンスクエアガーデンの素朴なフードカートで始まったこのハンバーガー屋。普通のファーストフードより値段が張るが、今やマンハッタンに10店舗以上構え、東海岸を中心に立派なチェーンへと変化を遂げた。(カリフォルニアだとロサンゼルスとサンディエゴにあるようですね。)

懐かしい感じがするギザギザのフレンチフライに、「シャックソース」とかいう特別のタレを使ったチーズバーガーが定番のセット。ハンバーガーって、年に一度か二度しか食べないけれど、毎回それはとても美味しく感じる。

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さっとテイクアウトできる食べ物と言えば、マンハッタン中の街角に停まっているハラルカート。カートのお兄さんに頼むと、3分で完成。ファラフェルやチキンとラムがイエローライスの上に乗って、トマトとしゃきしゃきのレタスサラダと一緒にスタイロフォームの容器に盛られる。そして最後に、「ホワイトソースとホットソースは?」と訊かれる。

「ホワイトソース」と呼ばれる謎のソースは、色々なスパイスやレモン汁が入っているマヨネーズベースのもので、タヒーニに少し似ている。「両方、お願い」と頼むと豪勢にぶちまけてくれる。

ハラルカートはどこにでもあるが、美味しいカートとそうでもないカートに分かれる。あちこちで試して、自分のお気に入りを探すのがまた楽しい。(写真に写っているのは初めて試してみたカートで、うーん、イマイチだった。)

健康に悪いのだろうけれど、ハラルフードには思い入れがある。昔ニューヨークで仕事をしていた時、毎日のようにミッドタウンイーストのハラルカートでパレスチナ人の仕事仲間とランチを買っていた。しょっちゅうのことだったので、カートのおじさんは、お手玉のような大きなファラフェルを、一つ、二つ、オマケしてくれるようになった。それを職場のバルコニーで、二人で国際政治の話をしながらバクバク食べて、食後に煙草を一本恵んでもらったり、恵んであげたりした。不健康な生活だった。会話の内容を思い返すと、お互いに理想的だったなあと懐かしくも思う。

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デリバリーを頼む時は、大概、インド料理に走ってしまう。カレーはスピードが命って物じゃないし(スフレなんかはデリバリーに向かない)、温め直しでさらに美味しくなっていたりする。

そこでマンハッタンヴィル(ハーレムの左隣あたりのエリア)の店で、ブリートのインド料理版みたいなものを頼んでみた。ロティにラムやチキン等の肉と野菜がぎっちり詰まっている「フランキー」という。ムンバイの屋台で買える、いわゆる street food だと聞く。

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端から見るとツマラナイ感じがするが、これが凄く美味しい。オクラと甘い玉ねぎのベジタリアンのと、ラム肉のフランキーの二種類を試した。一本3ドル50から7ドル50と安い。

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そして「ニューヨークで一番美味しい hummus が食べられる」と教授に教えてもらったブロードウェイ沿いの店。デリバリーもしてくれるが、近くに用事があったので店の中でバクラヴァやサラダなどを眺めがてらテイクアウトを頼んだ。

私はひよこ豆をすり潰して作ったフムスが大好き。半信半疑で試すと、あれ、本当に美味しい!何だろう?オリーブオイルが特別なのかな?じっくり研究すれば良かったのを、フムスを吸い込むようにして食べてしまったので、また頼んでみることにする。ここのパセリ、トマト、ブルグアを使ったタブーレサラダ(tabbouleh)も、塩加減がちょうど良くて大変美味しかった。

マンハッタンヴィルの方はあまり行かないけれど、まだまだ沢山、美味しいテイクアウトが隠れているような気がした。

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フリードマンズのこの豪快なフライドチキン&ワッフルも、家に届けてもらうことができる。競争が激しいだけに、デリバリーやテイクアウトの質、サービスが徹底していて、マンハッタナイトたちは料理をしなくたって充分に食べていける。

そこで一つ疑問に思う。マンハッタンに住む人たちは、一体どこで食料品を買っているのだろう。

近くにスーパーが無いわけではないが、セレクションが少ない、質が怪しい、高い、の三重苦。トレジョはやはりカリフォルニアに比べて店舗が少なく、お酒だけ別の店で売っているし(昔からある宗教絡みの州の法律?)、ホールフーズや洒落たフェアウェイも、徒歩で行くには中途半端に遠い場所にある。すると地下鉄に乗ってショッピング?

長年マンハッタンに住む友人ルポに訊いてみた。「時は金なり」と彼女は私をお説教するように言う。「オンラインで消耗品や食材など全部ひっくるめて買って、家に届けてもらう。アジア食材だけは、月に一度、車を出してニュージャージー州に調達しに行く。」

さらに、「夫がいると足手まといなので、彼を日本スーパー近くのサウナに放置して、その間に私が一人で500ドル分くらいの食材を買い込む」など、細かい段取りまで教えてくれて、笑ってしまった。500ドルも何に使っているの?という疑問はさておき、サウナに置いていかれる方が楽しそう。

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ルポに倣い、車を借りてニュージャージーに行ってきた。IKEAに寄ったのでお約束のミートボールを食べてきたけれど、10年くらい前に初めて食べた時の感激は今回なかった。味覚が長けてきた…と思いたい。


最近は Amazon Fresh、Fresh Direct、Peapod、また Fairway のデリバリーサービスなど、オンラインショッピングの選択肢が色々あって随分と便利になった。しかし自分でトマトを握ってみたい、バナナの熟れ具合を確認したいと思ってしまうのは、時代に乗り遅れている証拠かな。

近いうちに、ドローンでキャベツが自宅に届く時代が来るのだろうか。




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# by majani | 2017-10-26 05:06 | 食べる人々 | Trackback | Comments(6)

トニーベネット

普段なら必死に避けるミッドタウンの観光スポット。派手なネオンサインの Radio City Music Hall にやってきた。

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何故ならば、トニー・ベネットがライブで来ていた。トニーのためなら、マンハッタンの人混みもへっちゃら。

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ああもう、この笑顔を見ると安心する。

以前、サンフランシスコでトニー(の銅像)を見てきたけれど、生のトニーが、ニューヨークに着いてすぐ聴きに行けるとは夢のよう。やはりセコイア国立公園の種ゲームでスゴイ幸運を呼び込んだのか!

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ほぼ10年ぶりにラジオシティ・ミュージックホールに足を踏み入れる。この金と深紅の入口、 grand foyer を始め、アールデコ調の歴史的な建築物だ。

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売店でポップコーン、プラスチック容器からヨーグルトのようにぺりっと蓋を剥がして飲むワイン、金色のゴブレットに注がれたシャンパンなどを売っている。悲しいことに、プログラムはない。ちゃんとしたグラスで飲みたいなあと思いながら赤ワインを啜り、前座の娘アントニア・ベネットの歌を聴く。彼女の歌はイマイチ盛り上がりに欠ける。

するとこんなアナウンスがかかった。「では、フランク・シナトラにトニー・ベネットをステージに迎えてもらいましょう!」観客が「え?」とざわめくと、トニーを褒めちぎるシナトラの昔の録音が、広大なホールに響き渡った。

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耳がおかしくなりそうな喝采の中、トニーがステージに出てきた。始まる前からスタンディングオベーションだ。トニーがパッと腕を広げると、観客はさらに手を叩きならして喜んだ。彼のトレードマークジェスチャーである。(サンフランシスコのフェアモントホテルにある銅像もこのポーズを取っている。)

ポケットスクエア替わりに、赤いバラを胸に挿しているトニー。 彼が "Watch What Happens" を歌い始めると私は感極まって涙がぽろぽろ出てきてしまい、隣に大人しく座っていた北欧の観光客がぎょっとしていた。

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割と良い席を取ったつもりでしたが、やはりケータイ写真だとトニーが豆サイズですね。オペラグラスを持って行って正解。

プログラムが無かったので、暗闇の中、セットリストをメモした。Boulevard of Broken Dreams などちょっと意外な選曲もある27曲だった。

トニーベネット・クォーテットのメンバーそれぞれの見せ場がある時、トニーが奏者の所までゆっくりと歩いていき、本当に楽しそうに聴き入る姿が、私は好きでしょうがない。

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ライブが終わった後、外でリルケが鋭い観察をする。「あれ、ト二―の車じゃないか?」MUSIC7 というライセンスプレートの車を発見したのである。

しばらくすると、側に立っていたTシャツとジーンズの若い男の子が、"There he is!" と叫んだ。トニーが楽屋口から出てきたのだ。わあああ!と喜ぶ観客に手を振ったが、彼は素早く車に乗り込んでしまった。(因みに、電話をしているのは彼の息子のダニーだと、父が後に教えてくれた。)

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MUSIC7の車は、マンハッタンの煌びやかな夜の中へと消えていった。ああ、良かった~といつまでも見送っていると、腰の辺りから急に声がした。ブクレのブレザーを着たとても小さなお婆さんが、それはまた小さな声で私に話しかけてきたのだ。「トニーは物凄く疲れたことでしょうね!」

上演中はすっかり忘れていたが、トニー・ベネットは91歳である。そうですねえと返事をすると、私もヘトヘト、でも本当に良かった、とお婆さんは微笑んだ。私は地下鉄一本で帰れるけれど、お婆さんは頑張っておめかしをして、とても遠くからやってきた感じがした。

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ラジオシティ・ミュージックホールと言えば、毎年クリスマスの季節にある「ロケッツ」たちのショーがまず思い浮かぶ。36人の若い踊り子たちが、揃って長~い足をかんかん踊りのように蹴り上げたりするので有名なロケッツの Christmas Spectacular 。1930年代からあまり変わることなく続いてきたラジオシティの伝統だ。

館内の広告を見て、子供の頃にお世話になったおねえさんが、後にロケッツになったことを思い出した。彼女は確かインディアナだかアイダホだったか、田舎の出身で、人魚姫のような美しい髪をしていた。彼女は頑張ってニューヨークに出ていき、ウェイトレスのバイトをしながらミュージカルのオーディションに通い続け、やがてロケッツのキャストメンバーになったのだった。大学生になった私は彼女の噂話を共通の知り合いから聞き、全く映画に出てくるような話だなあと、ひどく感心した。

ロケッツは宝塚みたいなもので、キャストが何年かごとに入れ替わるので、彼女はとっくに違う仕事に移っていることだろう。若いダンサーなんて、ニューヨークにごまんといるのでしょうね。

最近の我が家では、ロケッツのかんかん踊りではなく、トニー・ベネットのぱっ!と上に向かって腕を広げるジェスチャーが大流行している。




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# by majani | 2017-10-23 02:44 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(8)


カリフォルニアで博士号取得後、ニューヨークにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、お出かけの記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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