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奇妙なロンドン

最後に、ロンドンの奇妙な博物館を二件紹介する。

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ベンサムのオート・イコンを拝み損ねた後、University College London の Grant Museum of Zoology に向かった。

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恐竜の化石、クアッガやドードーなど最近絶滅した動物の骨、普段見られない深海魚やウミウシのホルマリン漬け動物標本などで溢れかえる動物学の博物館だ。ちょっと変わっている生き物が大好きな私にはたまりません。

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博物館で「人気がある」展示物に、瓶にぎゅうぎゅう詰めにされた18匹のモグラ等があります。とにかく不思議な空間。上はモグラほど気味悪くない、始祖鳥の化石。

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後ろに写っているのが、ドードーの骨(の一部)。手前はワラビーの胎児と、絶滅したとつい最近まで思われていた、オーストラリアに生息する central rock rat の標本。

動物学を専門とするUCLの大学院生が受付や説明係を任されている。こんなことやらされてなんて不憫な大学院生なんだ!とリルケは可哀想がっていたが、大学院生は自分の分野について話すのが好きだから、ぴったりな仕事だと私は思う。

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ガラス製の模型も充実している。標本や模型は、動物学・比較解体学の教育に使われる。

募金をすると動物の標本を adopt、すなわち「養子にする」ことができる。年間20ポンドで、ウミウシの親になれるのです。

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さて、UCLから少し離れたLondon School of Economics に用事があり、帰りに近くのカフェ Fleet Riverでほうれん草とチーズのキッシュとバーリーサラダをむしゃむしゃ食べる。学生の街は若いエネルギーがあって、こちらも元気が出ます。

教授とマリルボーンでワインを飲む約束をしているが、Sir John Soane’s Museum に寄り道。18世紀から19世紀にわたり、イギリス人建築家ジョン・ソーンがヨーロッパや北アフリカのあちこちで収穫してきた建築物の破片、彫刻、工芸品、絵画、骨董品などが、家中にざっくばらんな感じに飾ってある。

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古代エジプトのサルコファガスから、ウィリアム・ホガースの18世紀の連作油彩画―手あたり次第拾ってきたのではないかと思わせる多様なジャンルの美術品。

ソーンの邸宅がそのまま博物館になっているのだが、この建築がまた面白い。狭い入口を抜けていくと、ありとあらゆる所に階段や小さな廊下があり、くねくねと階段を上ったり下りたりしていると、いつの間にか隣のフラットの中にいる。メジャーな大英博物館やナショナルギャラリーとは全く雰囲気が違う、迷路のような美術館・博物館だ。

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これでロンドンともお別れ。まだこの街に住むかどうか決めていませんが、有意義な旅でした。

ロンドン「下見旅行」おわり。



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by majani | 2016-12-22 08:00 | 動物王国

カリフォルニア、ニューヨークを経て、ボストンにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、日常の記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


by majani