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カノーリを食べる

我が家にちょっとしたイタリアブームが到来している。

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リルケと私は毎月3、4回ほど、二人だけで外食する。普段、仕事の付き合いで同僚や大学院生たちとのイベントが多いので、自分たちの「夫婦の時間」を意識して確保するようにしている。(もちろん「一人の時間」も、とても大事。)ボストンについた頃は、海鮮料理だ、オイスターバーだ、とはしゃいでいたのが、最近はノースエンドに行くことが多い。

イタリア料理店やジェラート屋が密集するノースエンドのイタリア街。マンハッタンでいうところのリトルイタリー、サンフランシスコのノースビーチだ。ヘイマーケット駅から徒歩5分のハノーヴァー通りを中心に、隣の客と肩を寄せ合いながらプロシュートを摘まむ小さなビストロから、高い天井いっぱいに笑い声が響く賑やかなレストランまで、様々な雰囲気の料理屋が並ぶ。上の写真のナントカという店は(早速、名前を忘れた)壁が一面、カラフルな皿や盆、よく見ると不思議な壁時計やオブジェで埋められていた。

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しかし今日は美味しいニョッキや子牛のパルミジャーナの話ではない。カノーリの話をしたい。

このハノーヴァー通りに、Mike's Pastry という老舗のカノーリ屋がある。10数年前、初めてボストンを訪れた時、カノーリとは何ぞや、と街を案内をしてくれていた友人に訊ねたら、「あなたはまだ人生を生きていない」と言われた。そおか、私はちゃんと生きてなかったのか、そんなに美味しい物なのか!と心を躍らせてマイクズ・ペーストリーに向かったのだった。

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イタリアの焼き菓子の cannoli 。バリエーションがあるが、基本としてサクサクした筒状の生地の中にどっぷりとカスタードクリームが入っている。正直に話すと、10数年前に初めてカノーリを食べた時は、甘すぎて吐きそうになったのだった(友人にはそう言えず、無理して食べきった結果、一日ずっと気持ち悪いままボストン観光を強いられた甘酸っぱい思い出がある)。

先日、リルケに誘われてカノーリに再挑戦してみた。そしたら、あら不思議、これがけっこう美味しい。

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糸をほどき、質素な白い箱からカノーリを取り出す。リルケは定番のプレーン、私はピスタチオのカノーリ。それにしてもスゴイ存在感だ。筋トレに使う道具でこういうのなかったっけ。どこか鯱にも似ているような。これがまたイイお値段で、一つ4ドル以上もした。

因みに隣にちょこんと座っているのはゼイバーズなどでお馴染みになった rugelach。試しに買ってみたが、これはやはりニューヨークの方が美味しかった。イタリアンウェディングクッキーにしておけば良かったな、と後になって思う。

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後日、大好きなウェディングクッキーをどうしてあの時買わなかったのだろうと無性に悔しくなった私。バックベイのプルデンシャルセンターに入っているイタリア食材屋 Eataly に飛び込み、Mulino Bianco というブランドの Girotondi クッキーを買ってみた。

何の変哲もない、バターと小麦粉の味のクッキーなのだが、愉快なホイール型の形のせいか、食べ始めるとむしゃむしゃ何枚も食べてしまう。



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by majani | 2019-02-18 14:09 | 食べる人々

カリフォルニア、ニューヨークを経て、ボストンにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、日常の記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


by majani