ドールのパイナップル園で見た花やバナナやパパイヤでは気が済まない!というわけで、同じノースショアの Waimea Arboretum and Botanical Garden を訪れた。
隅々までマニキュアされたドールのパイナップル園とは一味違う、野趣に富んだボタニカルガーデンだ。
天空の城ラピュタに出てきそうな巨樹がそびえ、サルオガセモドキが銀色のカーテンを作り、今までに見たことのない大きさのモンステラの団扇形の葉が茂る。
綺麗に舗装されたメインのトレールがあるが、一番楽しいのは「森」にうねうね入ってゆく人少ない小道。「スリランカの草花」、「小笠原諸島の植物」というエリアまであった。
蒸し暑くてしょうがない。木陰に逃げ込みながら、いくつもの脇道に入った。ハワイのネイティブの人々の古代社会にスポットライトを当てる、小屋や石碑のレプリカなどがひんやりした森の中に隠れている。
大きな木の下のベンチで一休み。
この黄色い花は何でしょうと佇んでいると、コウカンチョウ(red-crested cardinal)という、本来は南米の朱色の頭をした小鳥が私たちの後を追ってきた。ハワイにも住み着いたらしい。
ずっと緩い上り坂だった。最後に辿り着いたのは滝つぼ。水に飛び込む人も。
しかし一番エキサイティングだったのは滝ではない。もうすぐ閉園ということで、入口の方まで早足で戻ってくると、恐竜の脚をした素っ頓狂な鳥が、べっこん、ぼっこん、と歩いていた。
オアフ島に着いてからずっと一目見てみたいと思っていた、Hawaiian moorhen (別称 Hawaiian gallinule、学名は Gallinula chloropus sandvicensis)という鳥だ。ハワイアンでは「焼けた額」という意味の ‘Alae ‘ula という。(ボディが似ているけれど、くちばしが白く、多少ずんぐりした ‘Alae ke‘o ke‘o という仲間もいる。)
その真っ赤に「焼けた」くちばしと額、卵の黄身の色をした大きな足、つやつやの黒いボディで、独特な雰囲気を放つアラエ・ウラだが、食べるものは、タニシ、昆虫、水生植物と、けっこう平凡である。恥ずかしがり屋とされている鳥なので、見られてラッキーだったのかもしれない。絶滅危惧種に指定されている。
出口付近で、鶏にも遭遇。最後の最後まで喜ばせてくれた、ワイメア植物園。
黄昏時、近くの海岸へ。
干潮になってできた潮溜りで、ヤドカリや小さなカニにちょっかいを出した。
海に出ると、何をしていたわけでもないのに、必ずお腹が空く不思議。フードトラックでフィッシュタコスを食べることに。ここはサーファーの兄ちゃん姉ちゃんが多かった。
ライス・アンド・ビーンズまで付いてきて大変満足。食べている最中、
やはりここでも鶏が足元を歩き回っている。野良猫がいないのだろう。幸せな鶏たちだ。
夕方の海も綺麗。
ワイキキまでの帰り道は、モヤモヤした天気になったが、その薄暗い雲をバックに朧気な虹を何度か見た。
このモヤモヤした感じのノースショアの道路、私は大好きになった。まさしくルーベンスの光ではありませんか。
そして、これは・・・!パイナップル畑!これこそ、
前回私が求めていた「見渡す限り、パイナップル」の田舎の風景だ。赤い土に黄金色のパイナップル畑が地平線まで続いていた。リルケに、もう少しゆっくり運転してと頼んだ。
ワイキキに戻ってくると、何故か盆踊りを踊る人たちの姿が。毎年三日間かけて行われる Pan Pacific Festival にばったり居合わせた。「へぇ~い、レッツ・ダンス・ボンオド~リ~!皆さんもジョイ二~ン!」みたいな不思議な司会だった。(以前、ジョインアス!と誘われた珍事件は、
こちらを参照。)
はるばる日本から来ているフラダンサーたちも。暗闇の中で色鮮やかなパウを揺らしていた。
ハワイの旅、のんびり続く。