イスラエル料理

若者が集うごみごみしたイーストヴィレッジにティムナという店がある。イスラエル料理にひとひねり加えた美しいプレーティング、そして紳士的なサービスが充実している小さなレストラン。ある金曜の夜、小腹を空かせて友人ルポとふらりと入った。

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地中海風のセビーチェ…といっても、セビーチェに見えない。ミントの葉が散らしてあるぱりんぱりんのヒヨコ豆クラッカーの下に隠れているのは、マグロのセビーチェ、イスラエル風サラダ(トマトと胡瓜がメイン)、スパイス、そしてクレムフレッシュのような濃厚ヨーグルト。

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そしてこちらが、クバネ(kubaneh)のパン。植木鉢に入ったふわふわのクバネを指で引き裂き、ハラペニョのサルサや、新鮮なトマトとオリーブ油に漬けて食べる。食感はクロワッサンに似ている。奥に写っているピスタチオ色のものは、中東料理の定番である茄子のババガヌーシュ。

クバネは沢山のバターを使って焼いているのか、薄いフィロ生地をぐるぐる巻きにしたジャフヌン(jachnun)に通ずるものがある。こちらも少しピリ辛のトマトディップと食べる。ジャフヌンとクバネは両方ともイエメン系のイスラエル料理だと友人に教わった。

そういえば何年もジャフヌンを食べていない。ブルックリンとグリニッチヴィレッジの二カ所にある 12 Chairs Cafe の週末ブランチメニューに載っているが、中東食材の店などで生地を売っているらしいので、家で作ることも可能。

ただ、相当の時間がかかる作業だ。古いパンを鍋の底に敷き、その上にバターをたっぷり塗りながらきつく巻いたジャフヌンの生地、そして一番上に生卵をぽこぽこ乗せて蓋をし、なんと10時間~14時間かけてオーブンでじっくり焼くとのこと。ターキーより面倒くさい!

国民に愛される朝ごはんなのに、誰も家で作ろうと思わないことに深く納得。



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# by majani | 2018-04-02 03:47 | 食べる人々 | Trackback | Comments(6)

MoMAとホステスギフト

週末はフィラデルフィアに住む友人たちがニューヨークを訪問。マンハッタンの家に泊めていた。

たったの一晩のことだったが、友人たちは素敵な「ホステスギフト」(受け入れ役の hostess のためのお土産)を持ってきてくれた。近代美術館 MoMAのデザインストアの小物です。

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ニューヨークベースのフランス人アーティスト、Patrick Martinez の1995年の作品。その名も La maison inondée 。英語で flooded houseとでも訳しましょうか。赤い屋根の小さな家が緑の丘の上にちょこんと立っていて、その周りが窪んでいる、ずっしりと重いお皿。

実を言うとあまりアペタイジングな緑ではないので、何を入れたら良いか迷っている。入ってきた箱には「子供用のボウル」あるいは胡桃など「ナッツを入れておくのに最適」とあるが、ストーリー的には液状のものを入れたい。お皿に水を張り、植木のカッティングなどを入れて置いたら、と母からナイス提案がありましたが、皆さんはどう思われますか?アイディア募集中。

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二点目は、紺の服を着た白猫のプロフィールのスポンジ。私が最近「猫~猫~」と寝言を言う程深刻化している「猫欲しい病」対策とのこと。可愛すぎて、とてもこれでゴシゴシ掃除することができません。

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最後の写真は、去年、両親が遊びに来てくれた時にもらった木製コースターのホステスギフト。こちらもMoMAのデザインストアより。エレキトリックブルーとオレンジに近いピンクのポップな色調は意外と、他にリビングルームにある暖かみある木目調の物と合性が良く、コーヒーテーブルで毎日大活躍。

最近のインテリアはシンプルでモノクロームの風潮が強いですが、単調になりすぎないように、こうした遊び心のある小物を通して一瞬あっと思う色使いを取り入れることが、何となく好きなのです。人生にしても、メリハリって大切。なんてね。

因みにMoMAでは今、昔から気に入っているアメリカの写真家 Stephen Shore の写真展や、とても面白そうなブラジルの近代美術展などが行われている。気が付けばニューヨークの滞在期間もあと僅か何カ月。今のうちに沢山の美術館やギャラリーを見ておきたい。




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# by majani | 2018-03-22 04:06 | 言葉と物 | Trackback | Comments(10)

メットに行く

久々にメトロポリタン美術館を訪れた。

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ニューヨーク在住あるいはニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの学生の場合、入場料は好きなだけ寄付する制度(大人の suggested 料金は25ドル)。堂々と無料で入ることもできたが、最後のヨレヨレの20ドル札を差し出した。

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美大生らしき若者があちこちにイーゼルを立てて模写をしているのは、おそらくこの良心的な制度のおかげ。何日かけて完成させるのだろう。

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週末は人でごった返しているメットは、平日に訪れると穏やかな空間。マティスの金魚シリーズのこの小ぶりな作品も、空っぽの部屋で、じっと近づき、急かされることなく楽しめた。

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メットは印象派のコレクションが有名とされているが(ドガのバレリーナが腐るほどいる)私はルネッサンス期やさらに昔のビザンチンのイコノグラフィーが気に入っている。絵画の歴史や宗教についてもっと知っていれば高度な楽しみ方ができるのだろうが、私は単に描かれた人物たちの平たい顔やカチッと見開いた目が奇妙で面白いナと感じる程度。

例えば上のクリヴェッリの作品。ルネッサンス期によく見るマドンナ像だが、よく見るとマドンナが胡瓜と一緒に描かれている。奇妙です。

落ち着いて説明を読むと、右上に描かれた林檎とイエスが睨みつけるようにしている蝿は罪と悪の象徴、また胡瓜とゴシキヒワ(イエスの手の中の小鳥)は罪の贖いの象徴とある。小鳥は何となく分かるような気がするけれど、どうして胡瓜が贖いを意味するようになったのだろうと好奇心が掻き立てられる。

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アフリカやラテンアメリカの展示室(色々な文化の装飾品や彫刻がごちゃ混ぜになっているエリア)も面白い。12世紀~19世紀後半に存在したベニン王国(現在のナイジェリア南部エド州にあった)の装飾品コレクションが見事なので、是非一度見てきたら良いと日本に住む家族友人に教わっていたので、閉館間際に一周してきた。

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確かに見事。16~17世紀にベニン王国の宮廷の壁を彩ったとされる浮き彫りの飾り板は、今にも動き出しそう。

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同じくアフリカ西海岸、植民地時代以前の作品。右に写っているのはポルトガル人を描写した象牙で出来た小さな像。当時はヨーロッパに輸出するため、ベニンやサピ(現在のシエラレオネ)のアーティザンたちがこのような「アフロ・ポルトガル」像を数多く作り出していた。西欧の装飾美学と、ベニンやサピの芸術品に見られる幾何学的なパターン使いの共存によって、独特な雰囲気を放っている。

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この指輪は19~20世紀マリの出土品。はめてみたい。

それにしても欧米にずっと昔からアフリカ諸国の芸術作品が流出しているわけですが、返却の要請はないのでしょうか。ちょっと気になる点ではある。

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美術館から出てきて、街角で売っているローストカシューナッツの香りに惹かれる。

ニューヨークは今日も雪がちらほら降りまだ寒いけれど、最近のセントラルパークは丸々としたカナダガンが騒がしくお喋りをしていて、おぼろげな春の予感がする。



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# by majani | 2018-03-14 06:23 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(6)


カリフォルニアで博士号取得後、ニューヨークにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、お出かけの記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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