バノフィー・パイ

友人フリーダとキキのハウスウォーミングパーティーに招待されて、週末はブルックリンに出かけた。

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サウスフェリーの駅で見たこ洒落たモザイク画。

マンハッタンから脱出するのに少し億劫な場所に住んでいるので、ディープブルックリンに行くわけでもないのに、地下鉄がちょっとした冒険のように感じられた。

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ディナーパーティーの面子はウィーメンズ・マーチに参加した友達、プラス男性陣。

私の主人がブルックリンへの遠征が初めてとのことで、是非ブルックリンらしさを感じてほしいとキキちゃんが笑いながら取り出してきたワインが、旨味(ウマミ)という言葉にフランス語の冠詞 le をくっつけた L'Umami というオレゴン州のピノノワール。フランス語風にして、ちょっぴり気取った感じが変に「今風」でユーモラスなのである。確かに、裕福なヒップスターに乗っ取られているブルックリンで受けそうだ(ポートランド、サンフランシスコにもありそう)。

近所のワインショップで、キキが可笑しがって「ルマミ」を手に取ったら、女優のローラ・ダーンがすっと隣にやってきて同じワインを買っていったそうだ。今頃、ローラ・ダーンさんもこれをお友達と飲んでるのかねえと笑いながら啜ったルマミは、飲みやすいピノだった。

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そこで「私が持ってきたデザートにびっくりするわよ」とルポが宣言する。それは「バノフィー・パイ」。ば、ばのふぃ?って何?

これよ、バノフィーパイ、と出てきたのが、生クリームがこんもりのグラムクラッカー生地のパイらしき物。その上に温めたチョコレートソースをたっぷりかけて、切り分ける。

バナナとトフィーが入っているので、banana + toffee = banoffee pie というわけだ(アクセントは no の部分なので、バノッフィーの方が正確かも)。英国のデザートで、最近までロンドンに住んでいたキキちゃんは大興奮。

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それにしてもこの生クリームとパイの割合、どう考えてもオカシイでしょと笑ってしまう。生クリームは微かにコーヒー味がして(これは多分ルポの工夫)美味しいのだけれど、とてつもなく甘くて、やっとのことで半分食べる。しかし英国について新しいことを学び、満足。

トライフルといい、何層かレイヤーがある(?)デザートに好感を持つ国民性なのでしょうか。

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ところで、「猫欲しい病」が全く治りません。フリーダたちの猫は、ツンデレタイプ。放っておくと俄然寂しくなるのか、ディナーパーティーの様子を窺いに来たりしていた。



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# by majani | 2018-03-06 07:39 | 食べる人々 | Trackback | Comments(4)

ブランチ万歳

パイを一切れ食べたら、甘い物がどんどん食べたくなる不思議。ジュリエットと至高のブランチを求め、あちこちで食べてきました。

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日本のガイドブックでよく見るようになった、王道の Sarabeth's。マンハッタンに何か所か店舗があり、パンケーキとエッグスベネディクトが人気商品。

いつもはエッグスベネディクト派だけれど、新しい物を試してみようとフレンチトーストを頼んでみる。私好みの、少し eggy な感じに仕上がっていて美味しかった。旅に待ったなし、ですから、容赦なくバターを塗りたくります。満足がいくまでコーヒーのおかわりができるのも嬉しい。

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サラベスのジャムを日本へ持ち帰ると、とても喜ばれる。ネームバリューがあり、実際にとても美味しいと思う。おススメはプラムチェリー。写真に写っている大瓶はごく普通のスーパーでも手に入るので、お土産集めが一時帰国の直前になってしまった場合も便利。

ジュリエットはお店でグラノラをお土産として買っていた(ジャム瓶は重いからね)。

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しかし今回、うっそー美味しいいいと思ったのは、ローワーイーストサイドにある Clinton St. Baking Company のパンケーキ。ハウストンの大通りとクリントンストリートの角に立つ真っ赤な煉瓦の建物が目印。

予約制ではないのでしばらく待つ覚悟が必要。訪れた平日も大繁盛だった。レストランの隣のベーカリーは、パンやペーストリーをテイクアウトすることができる。

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ブルーベリーソースがかかった、絵に描いたようにふわふわのパンケーキ。甘酸っぱいプチプチのブルーベリーの食感と、パンケーキのシンプルさのコンビネーションがとても好き。また、メープルシロップが透き通ったべっ甲色のものではなく、濃厚なソースのような感じだった。バターが入っているのかな?

一口ごとに「美味しいね」「うん、めっちゃ美味しい」「幸せ」「幸せ!」とお互いに感動を確認しながらの(語彙を増やさねばとも思う)ブランチでした。次回はレモンリコッタ版を試してみたい。

美味しいパンケーキで一日が始まると、何でもできるんじゃないかという錯覚におch元気が湧いてくる。一日の可能性に満ちたブランチに万歳。




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# by majani | 2018-02-28 03:44 | 食べる人々 | Trackback | Comments(4)

ブロードウェイで泣く(そしてパイを食べる)

引き続き ブロードウェイミュージカルの話。今回は感動する作品について。

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Hello, Dolly!

高校時代のジュリエットと私は、アンドリュー・ロイド・ウェバーに負けない大御所作曲家のスティーブン・ソンドハイムが手掛けた Into the Woods というミュージカルにハマっており(2014年にメリル・ストリープ、ジェームズ・コーデン主演の映画が出ている)そのビデオ鑑賞会をよく行っていた。(今思えば、擦れていない大真面目な高校生だった。)「赤ずきんちゃん」や「ジャックと豆の木」など有名な童話に登場するキャラクターたちが、何かを強く望むことによって招いてしまった思いがけないハプニングを追うストーリーだ。ブロードウェイの大女優であるバーナデット・ピーターズが、オリジナルキャストで迫力ある魔女を演じている。私たちはたちまちピーターズの大ファンになった。

そのバーナデット・ピーターズが主人公を演じるコメディー Hello, Dolly! が今回の大目玉。

設定は19世紀末のニューヨーク。世話好きな未亡人ドーリーは、老若男女を恋に導くマッチメーカーとして街で有名。しかしドーリー自身は独りの生活に苦しんでいて、郊外ヨンカーズの "half-a-millionaire" として知られる、怒りんぼなホラス・ヴァンダーゲルダーと再婚しようかと考える。困ったことに、以前ヴァンダーゲルダーにお見合い相手を見つけてあげてしまっているため、ドーリーは彼のハートを奪還するべく作戦を立てる。そんな中、ヴァンダーゲルダーが営む店の若い従業員コーネリアスとバーナービーは、恋愛と冒険を求め、秘密でニューヨークに乗り込む。帽子屋でアイリーンとミニーに出会うが、そこへ雇い主のヴァンダーゲルダーが現れトラブル発生。どんな奇想天外な展開でも上手くことを収められる賢いドーリーであるはずだが・・・?

初心な若者たちや恋に無作法なヴァンダーゲルダーなど、ドーリーを取り巻く様々な関係者が、ニューヨークの超高級レストランに集まるシーンがミュージカルのクライマックスだ。色鮮やかなドレスを着たニューヨーカーが行き交うさり気ない街のシーンから、ウェイターたちが踊り狂う爽快なレストランシーンまで、音楽、衣装、コリオグラフィー、全てに胸がときめく。古典派ミュージカルだからこそ何となく安心して観ていられる『ハロー・ドーリー』は、2017年にブロードウェイに戻ってきてベスト・リバイバル部門でトニー賞を受賞している。

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バーナデット・ピーターズがブロードウェイステージに立つのは20年ぶり。彼女が演じるドリーが最初に登場するシーンで、すでにスタンディングオベーションが起きる。ミュージカルのタイトルともなっている "Hello, Dolly!" というナンバーで、紛れもないルビー色のドレスを着たピーターズが "It's so nice to be back home where I belong" と歌うと、観客はいっそうに手を叩きならし、私はつい涙ぐんでしまう。ブロードウェイに、お帰りなさい!

因みにハロードーリーは、19世紀の戯曲をもとにしたソーントン・ワイルダーの劇 The Merchant of Yonkers がミュージカル化されたもので、元ネタがそ~と~古い。そのため、「女の取柄は家の掃除」的な古めかしい台詞が時々あるが、ピーターズ主演の現代版では(#MeToo後でもある)台詞の読み方(delivery)の工夫でコミカルな効果を狙うなどして、ストーリーが時代遅れだと感じさせないように努力している印象を受けた。

ピーターズのコメディーセンスはピカイチだし、アイリーン役のケート・ボールドウィンの歌声には聴き惚れてしまうし、バーナービー役のチャーリー・ステンプの可愛いことったら。またすぐにでも観たい作品です。

一目でいいからバーナデットを見たいと楽屋口で雨の中一時間半も待ったのですが、残念ながら会えず。(チャーリー・ステンプは一人でとことこ出てきて、待っていた高校生たちのプレイビルをサインしてあげたり、写真を撮ってあげたりしていた。可愛いうえに、凄くイイ人。)今でも若い子たちが、大昔の私たちのようにこうしてミュージカルに胸をときめかせているのを楽屋口で目撃し、とても嬉しく思った。

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Wicked

こちらは近年の王道ミュージカル。『魔法使いのオズ』に登場する Wicked Witch of the West (西の悪い魔女)がどうして悪い(wicked)魔女になってしまったのか、その経緯を辿る壮大ミュージカル。後に「悪い」魔女となるエルファバ、そして善良な魔女グリンダとして知られるようになるガリンダ(名前がどうして変わるのかはミュージカルでチェック)の間の、時には緊迫した友情の描写に感動する。

歌とそのリリシズムがとにかく良い。エルファバ役とガリンダ役の歌唱力に全てがかかっているとも言える。また、"Defying Gravity," "The Wizard and I," そしてフィナーレの "For Good" など数々の名曲がありますが、魔法使いのオズの話を知っている方が楽しめるかと思います。

このミュージカルでは第一幕の "The Wizard and I" で一度ぐっと涙をこらえ(アップビートな歌だけれど、後にどうなってしまうか分かっているだけに悲しい)、最後の "For Good" でうおおおおんとジュリエットと泣く。女の友情ものに弱い女二人です。

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Waitress

ガラリと変わって、現代のアメリカ南部の田舎町。小さなダイナーでウェイトレスとして働くジェナは、亡くなった母親から学んだパイ作りの名人。ダイナーで出している自家製パイは、どれもちょっと変わった名前が付いている。こうしてパイを焼いたり仕事仲間たちと他愛無いお喋りをする平凡な生活を送っていたが、ある日、妊娠が発覚。父親は、ろくに仕事もせずジェナから金を巻き上げるのが日課となっている夫のアール。愛がとっくに消えた結婚生活から逃げ出すべきか悩むジェナは、彼女を担当する産婦人科医のジム・ポマターに惹かれていくが・・・。

『ウェイトレス』は2015年にマサチューセッツ州でプレビューが始まり、2016年にブロードウェイで開幕したばかり。4部門でトニー賞にノミネートされている。私たちが観に行ったバレンタイン辺りの時は、作曲作詞をしたサラ・バラレスが自ら主人公を演じ、ポマター役はシンガーソングライターのジェイソン・ムラーズだった。ああもう、サラ・バラレスが泣かせる!演技が上手い!声が良い!(オリジナルキャストのジェシー・ミューラーも観客を唸らせる演技力と歌声の持ち主。)甘いマスクのジェイソン・ムラーズも、見ているこちらがモジモジしてしまうほど awkward ながらもチャーミングなポマター先生役を上手く演じきっている。

ジェナの夫アールのダメ男炸裂ぶりに観客の怒りが増していくのが手に取るようにわかる(アールはジェナに対し暴力を振るうまではいかないが、その危機感が常にモヤモヤとあり、ジェナの恐怖感が伝わってくる)。ジェナのソロナンバー、"She Used to Be Mine" が終わった時にはその怒りは悲しみに変化していて、周りから「ぐすん、ぐすん」と女性がすすり泣いたり鼻をかんだりする音が一斉に聞こえてきた。実は私もうおおおん状態で、ふと隣を見るとジュリエットも必死にティッシュで目を拭っている。

バレンタインデーに近かったのでカップルが多かったのですが(男性陣はデートのお相手が急に泣き出して困っている様子だった)このミュージカルは、一応「男に頼らず強く生きる女」みたいなのがテーマとしてあるので、良き女友達と観て、一緒にうおおおんとなりたい作品。

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また、非常にパイが食べたくなる作品でもあります。

パイ~、パイはどこだ~、と私たちは Little Pie Company (www.littlepiecompany.com)へ向かった。こちらのはマンハッタンで見つけたパイの中で頗る美味しいと感じている。事前に注文をしておかなくても良いというのがさらなる利点。

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パイを一切れ($4.50)その場で温めてもらって食べることができる(アラモードも可)。私はリンゴとクルミとサワークリームのパイ、ジュリエットは王道のベリーパイ。ブラックコーヒーと合います。

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パイをホールで買うのは少し大袈裟だなと考え、ミニサイズの梨とリンゴのクランブルパイ($8.50)を持ち帰った。後日オーブンで15分ほど温めて、ミュージカルのことを思い出しながらデザートを楽しんだ。

しかし一週間でいくつもショーを観ると、さすがに疲れる。そして一気に貧乏になったような・・・。しばらくはおとなしく家で夜を過ごしたいと思う。




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# by majani | 2018-02-24 03:25 | 旅に待ったなし | Trackback | Comments(0)


カリフォルニアで博士号取得後、ニューヨークにやってきた学者のブログ。海外生活、旅行、お出かけの記録。たまに哲学や語学に関するエッセイもどきも。


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